息子の「ママの料理まずい」という言葉に傷つきながらも、その本音に向き合った母。
親子の味覚ギャップから生まれた新たな気づきとは──?
今回は筆者の友人から聞いた、親子のすれ違いと成長のエピソードをご紹介します。
画像: 息子の「ママの料理、まずい」に隠された本音。部活で汗を流す息子が『求めていたもの』にハッ

「美味しくない」と言う息子

夕食に手作りの煮込みハンバーグを出した日、中学1年生の息子がこう呟きました。

「ママの味付け、薄味すぎない?」
「最近の料理美味しくないし、まずい」

息子としては何気なく思ったことを吐いただけでしょうが、私にとっては胸がギュッとしめつけられるような辛い言葉でした。

これまでずっと家族の健康を想って、油や塩分を控えた薄味を心がけていた私。

そんな努力を真っ向から否定されたような気がして、思わず
「じゃあ食べなくていい」
と突き放してしまったのです。

息子は自分の放った言葉が私を傷つけたと気づいたのか、
「ごめん」
と言ってくれたものの、到底その場では許せませんでした。

むなしさがこみ上げた夜

その夜、息子の食べ残した皿を片付けながら、怒りよりもむなしさがこみ上げた私。

『体のためにと思ってやってきたことなのに』
『息子にとっては食欲がなくなるような逆効果になっていたのかもしれない』

そんな考えが頭をぐるぐるよぎるなか、ふと『息子はどんな味付けが好みなのだろう?』と思ったのです。

翌日、気まずい雰囲気のなか勇気を出して
「一緒に作ってみる?」
と声をかけてみました。

息子の想い

すると、意外にも息子は
「いいよ」
と素直にうなずいてくれました。

そのままキッチンで話をしているうちに、息子の求める味付けが分かってきたのです。

どうやら部活で真夏の日中に何時間も汗を流しているからこそ、塩分の多い濃い味付けのご飯が欲しかった様子。

「ママの料理がまずい」
という言葉の裏には、親の愛情と、成長する子どもの体が求めるもののすれ違いがあったのでした。

成長に合わせて

今では、息子の部活後はしっかり味付けしたメニューを、普段は薄味の家庭料理を、と作り分けるようにしています。

「今日もおいしいよ!」
と笑って食べてくれる息子の顔が、なによりのご褒美です。

親として、『子どもの成長に合わせて、向き合い方も知識もアップデートしていこう』と学んだ出来事でした。

【体験者:30代・女性パート主婦、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.