大人には大したことない出来事でも、子どもの目には、まるで世界が終わるかのような一大事に映ることってありますよね。その純粋な反応に、驚かされたり、思わず笑ってしまったり……。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。
画像: 「ママ、パパが倒れてる!」娘からの電話にゾッ! 慌てて駆けつけると【予想外の光景】が、、、!

「パパが倒れてる!」

その日、私は会社で会議の資料作りに追われていました。
そんな中、自宅から着信が。

今日は夫が在宅勤務で、小学生の娘を見てくれているはずなのに、一体どうしたんだろう?
胸騒ぎを覚えながら電話に出ると、電話越しに聞こえてきたのは、しゃくりあげる娘の泣き声でした。

「パパが、お風呂で倒れてるの!」
その言葉に、全身の血の気が引いていくのが分かりました。

最悪のシナリオが頭を駆け巡る帰り道

頭が真っ白になりながらも、「大丈夫、すぐ帰るから!」と娘に伝えたあと、震える手ですぐに119番通報。

上司に説明するのももどかしくオフィスを飛び出し、私はタクシーに飛び乗りました。
「すみません、急いでもらえませんか!? お願いします!」
運転手さんに何度も懇願しながら、頭の中では最悪のシナリオばかりが駆け巡ります。

自宅マンションの角を曲がった瞬間、赤い回転灯が目に飛び込み、心臓がギュッと締めつけられるような気がしました。

信じられない夫の姿

震える足取りでマンションのエントランスに駆け込むと、救急隊員の方がストレッチャーを準備しているところでした。
その後を追うように自宅に入り、リビングを抜け、脱衣所の前へ。

そこに夫はいました。

パンツ一丁でうつ伏せになり、「ううう……」とうめいています。
生きてる! でも、一体なにが?

救急隊員の方が冷静に、そして少し困ったような顔で私に告げた言葉は、予想外のものでした。

「奥さん、落ち着いて。ご主人、ぎっくり腰ですね」

当たり前の日々に感謝

ぎ、ぎっくり腰……?
その言葉を理解するのに、数秒かかりました。

少し落ち着いてから詳しく聞くと、夫は脱衣所で服を脱いでいる途中、お風呂の床に石鹸が落ちているのに気づいたそうです。その石鹸を拾おうとして、突然ぎっくり腰になってしまったのだとか。

動けずにいる夫の姿を見た娘は「パパが死んじゃう!」とパニックになってしまったのです。

結果的に命に別状はなく、本当にホッとしました。

夫はその後、念のため病院へ。
今では笑い話ですが、本当に生きた心地がしなかった、あの数十分──。
家族が無事であることのありがたさを、これほど痛感した日はありません。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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