子ども時代に母から繰り返し言われ続けた「うちにはお金がない」のひと言。
その言葉の意味が、大人になった今、思いがけない形で心に響き直します──。
今回は筆者の知人から聞いた、親の愛に気づくエピソードをご紹介します。

母の気持ち

「うちにはお金がない」
という言葉は、決して私を突き放すためのものではありませんでした。

それは、現実を必死に支えようとする母の、精一杯の言葉だったのです。

おもちゃやゲームを欲しがる私に、毎回優しく言う余裕も、説明する時間もなかったのかもしれません。

それでも、私の学費は大学に通う分まで、きちんと用意されていました。

思い返せば、ピアノとお習字の習い事も辞めずに続けられていたのです。

ありがとう

子どもを育てる今、ようやく母の気持ちが分かってきました。

あの言葉の裏には、心配と責任、そして深い愛情があったのです。

あの頃は悲しかったけれど、母に対して今は『ありがとう』と感謝の気持ちでいっぱいです。

母の言葉が、私のなかの大切な財産になっています。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。

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