筆者の体験談です。
旅行先でのお土産選びは、私にとって大切な楽しみのひとつ。
でも、母のある行動が、その思い出を変えてしまったのです。
画像: 母「親戚の子に譲りなさい」差し出した過去。旅行好きの私が【お土産を多めに買う癖】がついた悲しい理由

お土産は私の楽しみ

旅行が趣味の私は、行く先々で名産品を調べてはお土産を選び、大切に持ち帰るのが習慣になっています。
誰に渡そうか、喜んでくれるだろうかと考える時間も含めて、旅の醍醐味のひとつでした。

しかし、いつの間にか「お土産を多めに買う癖」 がついていました。
それには、ある理由があります。

「ちょうどいいから、もらっていくね」

帰宅して荷解きをしていると、母は決まって荷物の中身をチェックしてきます。
「これは誰にあげるの?」「あら、これ美味しそうね」 と言いながら、まるで自分が選んだかのように、お土産を人に配ってしまうのです。

「この前〇〇さんにお菓子もらったのよ」「ちょうどいいから、それ渡しておくね」
そう言って、私の了承もなく持っていくこともありました。

感謝の気持ちを表すことは大事。でもこちらにも予算があるし、渡したい相手もいます。

「あげなさい」 と言われて差し出したもの

そういえば、修学旅行のときも同じようなことがありました。

大型テーマパークで見つけた、キャラクターではない小さなぬいぐるみ。
手に持ったハートを押すと、ほっぺが赤く染まるかわいい仕掛け付きで、友人と「これ、おそろいにしようね」 と約束して買った大切な思い出の品です。

帰りのバスの中でも、大事に抱えていたぬいぐるみ。

けれど帰宅後、母に「親戚の子にあげなさい」 と言われ、断りきれずに差し出しました。
その子が欲しがっていたわけでもなかったのに……。

思い出ごと、奪わないでほしい

数年後、親戚の家を訪れたとき、あのぬいぐるみが埃をかぶって飾られているのを見つけました。
ハートを押すと変わるほっぺの色も、もう変わらなくなっていて、胸がぎゅっと締めつけられるような思いがこみ上げました。

「ありがとうって言われたのよ」
そう笑う母を、私は責めることができません。
でもどうか、私の思い出まであなたのものにしないでほしい。

あの記憶は、今でも笑えないまま、私の中に残り続けています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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