筆者の体験談です。
うちの父は昔ながらの亭主関白タイプで、今は耳が遠く、テレビの音量も常に爆音。
しかし母の友人が訪ねてくると、会話の声が大きくなるたびに「うるさい!」 と怒り出します。
でもある日、そんな父の態度が一変する出来事がありました。
画像: 父の「爆音テレビ」がうるさい(泣)長年のモヤモヤを吹き飛ばしてくれた、知人の『勇気ある一言』

父のテレビ音量にモヤモヤ

私の父は、昔ながらの亭主関白タイプ。
加齢とともに耳が遠くなったようで、話しかけてもまず大きな声で注意を引かないと反応してくれません。
テレビが大好きで、家のリビングはほぼ父専用の空間になっています。
耳が遠いので音量はいつも爆音で、レベル30や40は当たり前。
どの部屋にいても、父が今何の番組を観ているのかがわかるほどでした。

リビングが“うるさい場所”になる理由

家には応接スペースがなく、母の友人が遊びに来るときは、この爆音リビングが会話の場になります。
おすそ分けを渡しがてら、お茶を飲みながら談笑するのが定番。
でも、テレビの音が大きいと、どうしても声は大きくなります。
すると決まって父が怒鳴ります。
「うるさい! テレビが聞こえない!」

……いや、それはこっちのセリフでしょ、と思っていました。
私も母も、毎回モヤモヤしながら黙ってやり過ごしていたのです。

「うるさいのは、あんたのテレビや!」

そんなある日、母の友人Tさんが遊びに来たときのこと。
おしゃべりが盛り上がり、つい声が大きくなってしまいました。
案の定、父が「うるさい!」と不機嫌に。

するとTさん、スッと父のほうを見て、落ち着いた声で言いました。
「うるさいんは、あんたのテレビやろ!」

その場にいる誰もが言い出せなかったことを、Tさんが代弁してくれた瞬間でした。父はきょとんとした表情で一言。
「そうか、悪かったな」 と言って、テレビの音量を下げたのです。
父がこんなふうにあっさり引き下がるなんて、私は内心とても驚きました。

不思議な関係、心がほどけた日

その日以来、Tさんが来ると、父は自らテレビの音を下げるように。
差し入れを受け取っては「これはうまい」とポツリ。
ときどき会話にも加わるようになり、笑い声が混じる日も増えてきました。

遠慮なくものを言ってくれるTさんのことを、父は心地よく感じたのかもしれません。
テレビの音量が引き起こしていた家族間の見えない壁が、Tさんの一言をきっかけに少しずつ取り払われていったようでした
今では、父に意見してほしいとき、母がぽつりとつぶやきます。
「Tさん、また来てくれないかなあ」

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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