身動きの取れない満員電車、そんな車内で体調を崩してしまったら?
そんな場面に遭遇した乗客たちが、誰の指示を受けるでもなく見事な救護活動を見せた、一部始終をお届けします。目撃者は筆者です。
画像: 朝の満員電車でふらっと崩れ落ちる女性 → 居合わせた乗客たちの『連携プレイ』に賞賛の拍手!

満員の電車内で

私が通勤のため、電車に乗っていた時の話です。朝の通勤ラッシュの時間帯で、電車内は満員で身動きが取れないような状態でした。

走行中の車内、少し先で人が動く気配がしました。

見ると、女性が崩れ落ちるようにしゃがみこんでいます。
大変! 貧血?!
そう思う間もなく、

「ここ、座って下さい」

女性の近くに座っていたスーツ姿の男性がサッと立って席を空けました。
続いて、その隣に座っていた女性が手を貸し、座らせると、

「大丈夫ですか? 次の駅で降りましょうね」

声をかけながら体が前に倒れないように支えています。

鮮やかな流れで

そのうちに電車は次の停車駅に止まり、女性が急病人の方の体を支えながら立ち上がると、今度はその反対側から、

「私も行きます」

と別の女性の声がして、二人がかりで支えながら電車を降りて行きました。

降りてすぐベンチに急病人の方を座らせると、一人の女性は一緒に座って付き添い、もう一方の女性が辺りを見回しながら小走りで階段に向かうのが見えました。

駅員さんを呼びに行ったのでしょうか。

私が見たのはそこまででした。
電車が出発したためその後は分かりませんが、適切な処置を受けて回復してくれたことを願うばかりです。

見事な救護でした

一方で、一呼吸置く間もなく席を立った男性、体を支え寄り添う女性、一緒に降りて駅員さんを呼びに行った女性。

鮮やかな連携プレイで一人の人間の窮地を救った皆様に頭が上がりません。
私もこのような場に居合わせた時、何も考えずに体が動く人でありたい、と思った出来事です。

【体験者:40代・女性筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。

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