筆者の友人A子の話です。約束していたはずなのに、当然のように夫が放った「育休ムリ!」宣言。3児ママの初めての真剣な訴えで、夫はどう動くのか!?
画像: 約束していたはずなのに。夫が放った「育休ムリ!」宣言。「あのさ、あなたは──」妻が涙ながらに喝!

上2人は里帰り出産、夫は産後を知らない

私には、2人の子どもがいます。
どちらの子の時も、私は産前産後合わせて4ヶ月から半年ほど、遠方の実家へ里帰り出産をしました。
そのため、夫は私が出産を終え、心身ともに疲れ切った姿を、ほとんど知る機会がありませんでした。里帰りから自宅に戻る頃には、私の体調も回復し、日常が戻っていたからです。

ところが今回、私たち夫婦が3人目を望むにあたり、状況は全く違いました。
1番上の子が小学生になり、これまでのように長期の里帰りは現実的ではありません。
学校のこともあるし、夫も子どもたちと離れるのは寂しいはず。家族全員が自宅で過ごしながら出産と育児を乗り切る必要があったのです。

だからこそ、妊活を始める前から、夫が「もし授かれたら、1ヶ月は育休を取る」と約束してくれた言葉は、私にとって大きな支えでした。

妊娠判明、夫の豹変

待ちに待った妊娠が分かった日、私は喜びで胸がいっぱいでした。

ところが、私が育休の話を切り出すと、夫は「育休? ムリムリ」と笑いながら言い放ちました。
「1週間も入院しないんでしょ?」と、退院後すぐに今までと同じように動けると思い込んでいることに加え、「じゃあお義母さんに来てもらえばいいじゃん」と、私の母を勝手に召喚しようとする始末。夫は仕事熱心で、普段から子どもたちともよく遊んでくれる良きパパでした。しかし、私の産後の大変さだけは、これまで知る機会がありませんでした。

私は耳を疑いました。あの時の優しい約束は、何だったのか。

初めて夫に本気でぶつかった夜

ある晩、私は夫に初めて、本気でぶつかりました。これまで、夫婦喧嘩はしても、こんな風に感情をむき出しにして、涙ながらに訴えたことはありませんでした。

「あなたは出産も、産後のしんどさも何も知らないよね。それでも3人目のパパになるの? 産後の母親の状態がどんなに辛いか、子どもたちのメンタルがどれほど不安定になるかも知らないのに?」

声が震えていました。

「子どもたちにとっても、そして私にとっても、今、一番必要なのは、あなたの協力なの。パパなんだよ!」

夫は最初、私の剣幕に驚いたのか、言葉に詰まり黙り込んでいました。
けれど、私の必死な訴えに圧倒されたのか、やがて彼の表情は神妙な面持ちに変わっていきました。

育休取得の大逆転

その日を境に、夫は変わりました。
上司に相談すると「3人目ならなおさら家族を支えないと」と理解を示してくれたそうです。
夫は、育休取得への具体的なステップを踏み始めました。

そしてその数日後、夫は私に、どこか誇らしげな顔で報告してくれたのです。

「1ヶ月の育休、取れることになったよ」

私は、その言葉に安堵と感謝で胸がいっぱいになりました。

その後

A子は後日「あの時、初めて夫に本気でぶつかって本当によかった」と振り返りました。

声をあげない限り、相手にはこちらの思いや大変さは伝わらないこともある。特に3人目の子育ては、上の子たちのケアもあり、夫婦の協力が不可欠です。

あの時の真剣な対話が、2人にとって大きな転機となったのは間違いないでしょう。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。

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