筆者の話です。
「よく荒れなかったね」と言われるたび、弟の言葉を思い出します。
あのとき、私たちに必要だったのは“勇気”ではなく“静かにやり過ごす力”だったのかも──
画像: 「子どもの頃、荒れなかったの偉いね」いいえ、本当は──パチンコ漬けの父に苦しんだ姉弟の『静かな選択』

「よく荒れなかったね」と言われるたびに

私は両親と弟の四人家族。
共働きの両親のもとで育ち、父は仕事には真面目でしたが、パチンコが日課でした。

平日は仕事帰りに立ち寄るのが常で、休日も朝から開店に合わせて出かけていく。
負ければ不機嫌に帰ってきて、テレビの前に無言で座り込むような人でした。

金遣いも荒く、借金に悩まされた時期もあります。
持っていた農地を売って返済に回したこともあり、近所にも我が家の事情は知られていました。

ただ、静かに過ぎた思春期

あの頃、私たちには自由がほとんどありませんでした。
父は門限にも厳しく、口答えを許さないタイプ。
でも、自分のことには甘い。
母はそんな父に何も言えず、黙って家計を支えていました。

母は毎日、朝から夕方まで働きづめ。
休日は、弟と一緒に農作業の手伝いに行ってバイト代をもらいました。
本当は少しでも体を休めたかったけれど、母の姿を見ると何も言えませんでした。

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