親として子どもを思う気持ちが、必ずしも子どもの幸せに繋がるとは限らない。そのことを痛感した筆者の友人F恵の体験談です。

ショックな言葉

「お母さん、子どもはお母さんの『物』じゃないんだよ? 自分の考えや価値観と違うからって、私やお兄ちゃんはずっとお母さんに否定され続けてきた。自分のことを否定する親と一緒に時間を過ごしたいって思う子どもはいないんじゃない?」

私は思いもしなかったことを娘に言われて、あまりのショックに電話を切ってしまいました。
子ども達が距離をとりたかったのは、他の誰でもない……母親である私だったのです。

価値観の相違

私は自分の育ってきた環境や価値観を絶対だと思い込み、時代の変化や子ども達の個性を認めることをしてこなかったのかもしれません。
そのせいで、子ども達からは疎まれる結果に。
夫はそんな私を理解してくれていますが、夫も似たような感覚で子育てをしてきたので、子ども達は父親に頼ることもしません。

それでも。
今までの自分を根本から否定するような気がして、私は自分から歩み寄れないのです。
人間の価値観に絶対はない……頭では分かっていても、気持ちの整理がつきません。

【体験者:50代女性・パート、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

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