喧嘩に遭遇した時、私の夫はよく止めに入ります。
仲裁に慣れている夫でしたが、この時ばかりは初めての体験をしたようでした。
今回は、そんな夫と筆者が、スーパーの駐車場でお客さん同士の喧嘩に遭遇した時のお話です。
画像: 駐車場で男性たちが怒鳴り合い! 夫が仲裁に入ると「いいから持ってて!」【渡されたもの】に「えっ」

夜のスーパーに行く

ある日、私と夫は夜のスーパーへと買い物に行きました。

閉店時間も近かったので、駐車場の車もまばら。お客さんもあまりいませんでした。

車を停めて、店に向かって歩いていると、前を歩いていた30代くらいの男性が、発車しようとした車に危うくひかれそうになりました。

私たちも冷やっとしましたが、ひかれそうになった本人は、もっと驚いたことでしょう。

怒りが湧いてきたようで、「危ないだろう!」と運転席に向かって怒鳴りました。

運転していたのは40代くらいの男性で、車から降りてきて「すいませんでした」と謝りましたが、ひかれそうになった男性の怒りは収まりません。

運転手の男性に向かって、大声でまくしたて始めました。一方的に運転手の不注意を責め立て、声はどんどん大きくなっていきました。

夫が止めに入ると……

それを見ていた夫は、喧嘩を止めに入りました。

「落ち着いて」と声をかける夫に、ひかれかけた男性は手で夫を制止。
「お兄さん! いいんだ、これは俺とこの人の問題だから! 下がっていてくれ!」と夫に下がるように言います。

そして男性は「あと、これ持ってて!」と言うと、いきなり自分の眼鏡をはずし、夫に手渡しました。

眼鏡を手渡された夫は、ぽかん、と手の中の眼鏡を見つめています。予期せぬ展開に、一瞬何が起こったのか理解できませんでした。

男性としては、喧嘩で眼鏡が壊れることを防ぐためだったのでしょうか。一触即発の状況で、冷静に眼鏡の心配をする彼に、私たちは呆気にとられました。

間に入った夫を信頼したのか眼鏡を託したようですが、喧嘩はなかなか終わらず、私たちもいつまでも待っていられません。

夫は喧嘩相手の車のボンネットに眼鏡を置き、「ここに置いておきます」と声をかけてその場を立ち去ったのでした。

初めての経験

買い物を終え駐車場に戻ると、さっきの2人はすでにいなくなっていました。私たちが去った後、彼らなりの決着がついたのでしょう。

「終わったみたいだね」と言う私に、「喧嘩の仲裁で、眼鏡渡されたのは初めて」と夫は呟きます。

「ちゃんと眼鏡持って帰ったかな」と、苦笑する私たちでした。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Junko.A
5歳、3歳、1歳の3人の子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。

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