コンビニのホットスナックを買おうと思ってレジに並んだら、前の人にラスト1個を買われてしまったという経験は、多くの方が経験したことがあるかもしれません。もしそれが人気のケーキで、相手がまさかの行動に出たら……? 今回は、思わず耳を疑うような要求をされた経験のある筆者の知人、Rさんのお話です。
画像: ケーキ屋で、最後の1個を買おうとしたら → 後ろの客からの『思いもよらないクレーム』に呆然

人気のケーキ屋さんで

Rさんは甘いものが大好きで、休日や仕事帰りに新しいケーキ屋さんや行列のできるクレープ屋さんを覗くのを日々の楽しみにしていました。

ある日Rさんは仕事が早く終わったので、人気のケーキ屋さんに行くことにしました。
「あ、まだある!」

ショーケースの中を見ると、いつも時間が遅いと売り切れになってしまうその店の名物のケーキがラスト1個残っています。
「これください!」
迷わずそのケーキを注文すると、後ろに並んでいた女性がいきなり大きな声を上げました。
「ちょっとそれ、私が買おうと思ってたんだから買わないでよ!」
「えっ!?」

譲らないお客さんに……

大きな声で文句を言われ、Rさんもケーキを包もうとしていた店員さんもびっくり。
「申し訳ございません、順番にお伺いしてますので……」
店員さんが後ろのお客さんにそう言ってくれましたが、よほどそのケーキを心待ちにしていたのか、そのお客さんはますますヒートアップします。

「人気あるんだからもっと作ってるでしょ、新しいの出してきてよ!」
「申し訳ございません、本日分はこれで終わりなんです」
「なんでもっと作らないのよ! スポンジにクリームのせるだけでしょ、パパッと作って出して!」
「他のケーキならまだございますので」
「私はこれがいいの!」

店内の騒ぎを聞きつけ、わざわざパティシエが出てきて「今日の分はもうない」と説明してくれましたが、その女性はずっと文句を言っています。
「わかりました、私が別のケーキにします」
仕方なくRさんがケーキを譲ると言うと、「最初からそう言ってよ! 時間がもったいない」と女性はお礼も言わず、そのケーキを買って帰っていきました。

「じゃあ、これとこれください」
ゆっくりケーキを選んだRさんがお会計をしていると、レジでパティシエが待っていました。
「ありがとうございました、これは感謝の気持ちです」
そう言って新作の焼き菓子をこっそり渡してくれたので、Rさんは「結果的に良かったかな」と人の優しさに触れて心が救われたような気持ちで帰れたそうです。

ケーキの購入は並んだ順番ですから、後から来た人が先に並んでいた人の注文に文句をつけるのはいかがなものでしょうか。なんとも強烈なお客さんに遭遇してしまいましたね。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。

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