筆者の話です。
結婚当初、義実家のことで悩んでいた私は、実家の母にたびたび愚痴をこぼしていました。
けれど母は決して義両親を悪く言わず、私を諫めるばかり。
その対応に、当時は少し寂しさも感じていました。

離婚後、思いがけない言葉

いろいろなことがあり、私たちは数年後に離婚。
久しぶりに実家に帰省したある日、母の友人と話す機会がありました。
私の事情を詳しく知っていたその人は、ぽつりとこう言ったのです。
「あなたのことで、お母さんもずいぶん愚痴ってたのよ。離婚は悲しいことだけど、縁が切れてよかったね」
その言葉に、私は一瞬、耳を疑いました。あの母が、そんなふうに思っていたなんて——。

本音を見せなかった母の優しさ

その時初めて、母も義両親の言動に違和感を覚えていたことを知りました。
でも、もし母があの時「ひどいね」と同調していたら、私はもっと早く義実家に対する気持ちが折れていたかもしれません。

私の前では一切否定せず、けれど陰で本音を吐き出していた母。
あの頃は寂しく感じていたけれど、今ならわかります。
母なりの思いやりだったのだと。
私はようやく、その優しさに気づくことができました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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