子どもは一番大切、でも自分のプライドだって、とっても大切で……。
今回は筆者の知人A子さんの、忘れられない夏の思い出をご紹介します。
画像: シングルマザーの私「一人でも育てられるから!」意地を張った結果 → 息子に起きた『思わぬ悲劇』

シングルマザーでも頑張れるの! 人に頼りたくないの!!

A子さんはシングルマザーで、一人息子を育てていました。
割と近い実家へ戻るよう、日頃から両親に言われていたのですが、

「一人でも育てられるから!」

そうA子さんは意地になり、両親に一切頼りませんでした。

しかし金銭的に苦しい日が多く、節約生活の日々。
「うちにお金はない」と、ついつい息子の前で愚痴をこぼすこともありました。
夏はお湯を沸かさず、水風呂で済ませることもあったほどでした。

仕事中、突然の電話が。息子はどうしたの!?

息子が小学4年生になった夏、事件は起こりました。
その日A子さんは仕事へ行き、息子は一人で留守番をしていたのです。

もうずいぶんとしっかりしてきた息子に、いつも通り留守を任せました。
そしてもうひと踏ん張りと言う夕方、職場に一本の電話がかかってきたのです。
電話は実母からで、

「息子が大変だから、すぐ帰ってきなさい!」

慌てて帰ると、実母の横でぐったりと横たわる息子が!!
一体何が……!?

本当にごめんなさい。自分のプライドより、あなたが一番大切なの

息子は少しでも節約しようと、なんとエアコンをつけずに過ごしていたのです。
しかも「飲み物にもお金がかかる」と、お茶も少ししか飲まなかったそうで……。

そうすると、みるみるうちに体調が悪くなり、このまま死ぬかもしれないという恐怖を感じた息子。
慌てて実家に電話をして、助けを求めたのでした。

実母は看護師だったので、息子が熱中症になっていると即座に判断し、応急処置をしてくれました。
処置が早かったからか、息子は幸いにも徐々に体調回復しました。

「生活が苦しいけど、一人で頑張りたいという気持ちは分かる。でも、それを子どもに押し付けるのは違う」

実母にそう言われ、A子さんは涙が止まりませんでした。
意地を張るより何より、息子を優先しないといけなかったのに。

その後、A子さんは実家へ帰ることを決意しました。
実家は驚くほど快適で、仕事で遅くなる時は息子の世話もしてくれます。
なおかつ、大人の目が増えたということが、本当に安心できることでした。

それ以来、息子が無茶をすることはなくなりましたが、毎年夏になると思い出しては猛反省しています。
二度とこんな目には合わせないと、強く心に決めています。

【体験者:40代・OL、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。

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