最近では地産地消など、食材の産地にこだわりのあるお店が増えていますよね。産地が明記されていると安心して食べられますし、より美味しく感じられることもあるでしょう。今回はそんなこだわり食材のお店に関するまさかの真相を知ってしまった経験のある筆者の知人、Yさんのお話です。
画像: “こだわり食材の店”って聞いたのに!? 看板メニューのパンの【まさかの真実】にガッカリ

食材にこだわるレストラン

当時Yさんが住んでいた家の近所には、ご夫婦で営業しているこじんまりとしたイタリアンの店がありました。

日替わりのコース料理に使う食材の産地は毎日お店の黒板に記載されており、基本的には地産地消でその地域で作られた食材がほとんどでした。

しかし食材によってはかなり遠くから取り寄せられたものもあり、Yさんは食品関係の仕事をしていたので「さすがこだわり食材のお店」と黒板に書いてあるメニューを見ながら感心していました。

そしてある時有名なグルメ雑誌に取り上げられたことがきっかけで、そのお店には連日多くのお客さんが押し寄せるようになったのです。

「ここのパンも美味しいのよね」
毎日お店で焼いているというパンも人気で、Yさんはそのお店に月一で通っているほどの大ファンでした。

衝撃の光景とは……

そんなある日、Yさんは自宅から少し離れた場所にあるショッピングモールに仕事の用事で立ち寄りました。

「直帰だし、夕飯の材料買って帰ろっと」
ショッピングモールのスーパーで夕飯の食材を買おうとレジに並んでいると、前に見覚えのある夫婦が並んでいます。
「誰だったっけな」
Yさんはしばらく首をひねっていましたが、すぐにその夫婦とどこで会ったかを思い出しました。
「あのイタリアンのご夫婦だ!」
その日はちょうど定休日だったので、プライベートの買い物かな、とYさんは何の気なしにその夫婦が持っている買い物かごにチラッと目をやりました。

「ん? あれは……」
カゴの中には見覚えのあるパンが山盛りいっぱいに入っていました。
「ウソでしょ!?」
それはなんと、お店で「焼きたてパンです」とコース料理とともに提供されているパンだったのです。

お店で焼いているのが売りだったのに、「まさかここで仕入れていたのか」とYさんは落胆しました。
しかし前に並んでいるご夫婦に直接聞くわけにもいかず、モヤモヤした気持ちのまま会計を済ませました。

その後、Yさんは自分が見たことを誰にも話しませんでしたが、同様にスーパーでパンを買うところを見た人が複数いたようで、お店の評判は徐々に落ち、雑誌に取り上げられる前の状態に戻っているそうです。

食材にこだわりがあるだけでも素敵なお店なのに、なぜお店でパンを焼いているという嘘をついたのでしょうか。経営上の理由や時間的な制約など、何らかの事情があったのかもしれませんが、とてももったいないですね。「こだわり」と謳われる情報に対して、鵜呑みにするのではなく、自身の目や舌で確かめることの大切さを改めて感じました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。

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