これは筆者が実際に体験した話です。
仕事と育児に追われる毎日で、幼稚園への登園はいつも自転車での猛ダッシュ。
そんなある日、4歳の息子が「歩いて行きたい」と言い出しました。
最初はただのわがままかと思った。
でもその言葉には、息子なりの深い想いが隠されていたのです……。

「手、つなごうよ」息子のひと言に涙

そんなある日、たまたま仕事が休みで、少しだけ余裕のある朝。

また「今日は歩いて行きたい」と言う息子に、私は初めて「いいよ」と答えました。
すると息子はパッと顔を輝かせて、「やったー!」と大喜び。そして——

「お母さん、手をつなごうよ」

少し驚きながらもその小さな手を握ると、息子は歩きながらこんなことを言ったのです。

「ぼくね、お母さんと手をつないでゆっくり歩きたかったの。いつも忙しそうだから……」

その言葉に、胸がぎゅっと締めつけられました。

子どもの“本音”を見逃していた私

私は毎朝“効率”を優先して、息子の気持ちを見ていませんでした。
急かされて無理やり登園していた息子は、実は、私と過ごす穏やかな時間を求めていたんです。

それからというもの、私は少し早く起きて「今日は歩いて行きたい?」と毎朝聞くようになりました。
歩ける日は手をつないでゆっくり話しながら登園。
たった10分のその時間が、親子にとって大切なコミュニケーションになっていきました。

「今日の給食はね」「先生にこれ見せるんだ!」
そうやって話す息子の顔は、いつもよりずっと嬉しそうでした。

忙しさの中にも、向き合う時間を

もちろん、時間がなくて自転車になる日もあります。
でも、息子に“選ぶ自由”を与え、気持ちに寄り添えるようになったことで、私自身も少しずつ変わっていけた気がします。

小さな子どもでも、親のことをしっかり見て、想ってくれている。
そのことを教えてくれたのは、あの朝のたったひと言でした。

忙しい毎日だからこそ、たまには子どもの手をとって、ゆっくり歩いてみませんか?
きっと、その時間が親子にとってかけがえのない“宝物”になるはずです。

【体験者:40代・主婦、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。

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