今回は、友人のB子さんに聞いたお話をご紹介します。普段は感情を見せない無口な夫が、ある日突然「泣いた」と話し出したそうです。その理由を知ったB子さんは、思わず声を詰まらせたと言います。夫婦の絆を再確認した、感動のエピソードです。
画像: 無口な夫が突然「今日さ、泣いたんだ」思わぬ告白に呆然 → 夫が『涙した理由』に胸が熱くなった日

いつも通りの夕食だったのに

その日、我が家の夕食はいつもと変わらず、私が作った唐揚げと味噌汁。
夫は無言でモグモグ食べていて、私は「今日も特に変わりなし」と思いながらお皿を洗っていました。
すると、不意に背後から彼の声がしました。
「今日さ、泣いたんだよね」
一瞬、何のことかわからず固まりました。夫が感情を表に出すことなんて、ほとんどないからです。
私はお皿を置いて、静かに彼の方を向きました。

不器用な夫の、正直な涙

「仕事でさ、同期のやつが辞めるって聞いて。送別の挨拶で“家族が支えだった”って言ってて、なんか、急に胸にきたんだ」
夫は照れくさそうに笑いました。でもその目は、少し赤くなっていました。
「俺、うまく言えないけどさ……お前が毎日ご飯作って、話聞いてくれて、それがどれだけありがたいかって、今日気づいた」
私は言葉が出ず、ただうなずくことしかできませんでした。
口にしなくても、伝わっていたと思っていた。でも、やっぱり、こんなふうに言葉で聞けると、想像以上に心に染みるものなんだと痛感しました。

10年目の「ありがとう」

「こんなこと言うの、恥ずかしいけどさ……ありがとうな」
結婚して10年目になりますが、これほどはっきりと夫の口から“ありがとう”を聞いたことはなかった気がします。
特別な贈り物でも、高価な指輪でもない。でも、たったひと言が、私の心に大きな花を咲かせてくれました。
夫婦の形はそれぞれですが、私たちにとっては、この言葉が特別な意味を持ちました。

言葉の重さに、ただ泣いた

「嬉しいよ。私も、ありがとう」
そう返すのが精一杯でした。
涙を隠すこともせず、私はそのまま夫の前で泣きました。
夫婦って、いつからでも気持ちを伝え合えるんだと、改めて思いました。
これからも、毎日を積み重ねていこう。お互いに不器用なままでも、きっと心はちゃんと届く。そう思えた、忘れられない夜でした。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。

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