孫に喜んで欲しいという気持ちが強すぎて、つい張り切りすぎてしまうおじいちゃんおばあちゃんも多いのではないでしょうか。しかしその張り切る気持ちが空回ると、かえって裏目に出ることもあります。今回は筆者の知人Fさんから聞いた、お姑さんによる過剰な介入が、図らずもお姑さん自身に跳ね返ってきたというお話です。
画像: 娘への手作りケーキを「しょぼいわね」義母がチクリ → その後の『まさかの行動』に、娘が激怒!

長年の“嫁イビリ”

Fさんは当時5歳の娘と旦那さんとの3人暮らし。

義実家の近くに住んでいるため、たびたびお姑さんが家に訪ねてくるのですが、実はFさんはあまりお姑さんと折り合いが良くありません。

お姑さんは、結婚前からFさんのことが気に入らない様子で、会うたびに「他にもいい縁談があった」「もっといい子を連れてくると思っていたのに」とFさんの存在を否定するような言葉を投げかけてきたのです。

そのため結婚してからはほどよく距離を置くようにしていましたが、それでもお姑さんの態度は変わりませんでした。お構いなしに訪ねてきては、「料理が下手だ」「部屋の趣味が悪い」などと、Fさんの日々の暮らしぶりをことごとく貶めるような嫌味を言い続けました。

しかし娘が生まれてからはさすがのお姑さんも初孫にメロメロ。これまでのようなFさんへの直接的な嫌味を控えるようになったのです。ところが、今度はお姑さんの愛情が、Fさんの娘へと向かうようになり、次第にFさんの子育てに対する過干渉へと変化していったのです。

娘のために作ったケーキ

そんなある日、Fさんは娘の5歳の誕生日に義両親も交えて家族でパーティーをすることになりました。

「ママ、イチゴのケーキ作って!」
娘にそうリクエストされたFさんは、娘の笑顔を思い浮かべながら、誕生日パーティーに娘の大好きなイチゴのケーキを手作りすることになりました。

「やっとできた……」
実はもともと不器用であまりお菓子作りの経験がないFさん。
仕上がりこそプロのようにはいかないものの、娘を想う気持ちの詰まったものでした。

誕生日パーティーで

誕生日パーティーの当日。Fさんの手作りケーキがテーブルに並べられた時、お姑さんが笑顔でこう言いました。
「〇〇ちゃん!(Fさんの娘)、お誕生日おめでとう! おいしいケーキ買ってきたわよ!」
ケーキは手作りをすると言ったのに、誕生日パーティーにやってきたお姑さんは近所で人気のケーキ屋さんの、フルーツいっぱいの豪華なケーキを持ってきたのです。

「Fさんが手作りするって言うから期待できないと思って。案の定しょぼいケーキね。さ、こっちを食べましょう」
お姑さんは、Fさんの手作りケーキを一瞥するなり、馬鹿にしたような言葉を吐き捨てました。そして、Fさんの作ったケーキをテーブルの隅に追いやろうと、ぞんざいに皿を押しやりました。
その瞬間、
「あっ!」
なんと勢いあまってしまったのか、ケーキを乗せた皿は、テーブルから床へと滑り落ち、見る影もないほどぐちゃぐちゃに散乱してしまいました。
「ひどい…… !」
床に落ちた、Fさんの手作りケーキを見て、Fさんの娘は大声を上げて泣き出しました。
「ほら、大丈夫よ。誕生日ケーキはここにあるから」
お姑さんがそう言ったものの、娘は「ばあばのケーキいらない!」の一点張り。

娘が泣き止まないため誕生日パーティーは中止になり、その一件でお姑さんは娘から距離を置かれることになってしまったそうです。

そして旦那さんからお姑さんに、しばらくの間Fさんの家への訪問を控えるよう通告してもらったそうです。

裏目に出た過剰な介入

Fさんの長年の苦しみを理解せず、過剰な介入を続けたお姑さんの行動は、最終的に最も大切な孫との関係を壊す結果となりました。意図したことではないとはいえ、大切な手作りケーキをぞんざいに扱い、娘の心を傷つけたお姑さんの行動は、長年の「嫁イビリ」の延長線上にあるものでした。

今回の出来事は、お姑さんの過剰な「張り切り」や「支配欲」が、いかに周囲を傷つけ、そして最終的に自分自身に跳ね返ってくるかを示す象徴的な出来事となりました。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。

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