忙しい日常の支えとなっている宅配サービス。それが思わぬ形で、ご近所トラブルの引き金になってしまったら? 今回は筆者の友人マキさん(仮名)が経験した、ある騒動とその意外な結末をご紹介します。
画像: うちに届いた宅配商品を見て「私に売ってよ」ご近所マダムが暴走 → 業者の『スマートな解決策』に拍手!

便利な“宅配サービス”

都会の古いマンションに暮らすマキさんは、共働きの4人家族です。
夕方は帰宅するなり、夕飯の支度に洗濯物、子どもたちの学校のプリントの確認と、一息つく暇もありません。

そんな生活を支えていたのが、週に一度の宅配サービス。野菜も調味料も日用品まで、玄関横に置かれた荷物を見て、マキさんは小さく独り言をつぶやきました。

「よいしょ! 重たいもの、運ばなくていいだけで助かるよね…」

荷物を取り込もうとしたその時、不意に背後から声がかかりました。

「今はそんなのがあるのねぇ。なに? ネットでやったりするのかしら? 便利ねえ」
「ネットの注文とか、年寄りにはよくわからないからね~」

マキさんが驚いて振り返ると、そこにはにこやかに立つご婦人がひとり。

ぞろぞろと現れる

そのご婦人に、マキさんはまったく気づきませんでした。
いつからそこに? と驚いた拍子に、つい口をついて出たのは何気ないひと言。
「あっ、こんばんは。宅配サービスだと、重たいものは特に助かるんですよー」

ご婦人はにこやかにうなずきながら、こう返してきました。
「ねぇ、そのお米、私に売ってくれない?」
一瞬、空気が固まりました。売る? 本気?

冗談かと思いたかった。でも、目は真剣そのもの。マキさんは戸惑いながらも、何とかかわそうとします。
「うち、ちょうど、お米切らしてるもんで」
すると、ご婦人は間髪入れずに続けました。「あら残念。それじゃ、そのジャガイモならどう?」
押し切られるようにして、マキさんはジャガイモをひとつだけ差し出しました。
たった一度。それで終わると思っていたのです。

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