見た目に惑わされず、その人の本質を見抜くのって、案外難しいものですよね。つい第一印象でその人を決めつけてしまうこともあるのではないでしょうか。今回は筆者の友人が興味深いエピソードを聞かせてくれました。
画像: 履歴書に“嘘”を書いたのかと思いきや、、、まさかの【全部ホント】!? 新人の正体に社内騒然

意外すぎる新人の実力

私は医療機器メーカーの人事部に勤務しています。先日、30代のAさんという男性が、中途採用で営業職として入社してきました。

Aさんの履歴書を見た時、そこに書かれていた経歴に、誰もが驚かされました。
元アスリートで国体に出場した経験があり、大学では科学を専攻し数々の研究実績を残し、さらに3カ国語を話せるというのです。

正直なところ、誰もが「これは盛ってるな……」と疑っていました。
実際Aさんはとても地味な印象で、とてもそんな華々しい経歴を持つ人には見えなかったのです。

覆される先入観

しかし、そんな私たちの疑念はすぐに覆されることになりました。
入社して間もないミーティングで、海外支社から早口の英語で質問が飛んだ際、Aさんは戸惑うことなく、完璧な英語で流暢に回答を始めました。

さらに、中国語やフランス語でも同様にネイティブ並みの語学力を披露し、その場にいた全員を「えっ……本当に話せるんだ」と驚かせたのです。

隠された才能に脱帽

語学力だけではありません。
その後も、ちょっとした体力仕事をお願いすると、Aさんは誰よりも手際よく作業を終わらせ、鍛えられた体力を感じさせる働きぶりでした。

そして決定打となったのが、研究開発を担う部署との共同研修があった時のことです。
新製品の技術説明を聞いていたAさんがぽつりと、「ああ、これ、開発に関わったことがあります。懐かしいなぁ……」としみじみ呟きました。
同席していた研究職の社員たちも、これにはびっくりしたそうです。

経歴を考えると、研究職にいても不思議ではないのに、なぜあえて営業職を選んだのかと聞くと、Aさんは「実際に使っているところを自分の目で見たくて」と、穏やかな笑顔で答えてくれました。

見た目で決めつけないことの大切さ

Aさんの入社によって、勝手な思い込みで人を判断してしまうことの愚かさを、私は改めて痛感しました。

今ではAさんは社内の信頼も厚く、多くの社員が彼の姿勢に影響を受けています。
人を知るには時間がかかるけれど、だからこそ「先入観」を手放して、真正面から向き合うことが大切だと、心から思うようになりました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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