お風呂場の小窓に、ふいに現れた“人影”。義実家でのんびり過ごしていた裕子さん(仮名)が体験した、まさかの“通報騒動”。ご近所の電話で発覚した騒動の結末に、家族もご近所さんも思わずズッコケたという話です。今回は、筆者の知人・裕子さんの忘れられない一夜をお届けします。
画像: 風呂場の小窓に不審者が!?「警察呼んだ方がいい?」ご近所の通報で発覚した【まさかの真相】とは!

田舎の夜

「さて、そろそろ片付けて、お風呂ね」
義母がそう言って、キッチンの片付けに手を伸ばしました。

夕食を終えた後、それぞれが自分の時間を過ごしていました。夫はリビングでスマホ。裕子さんは朝食の準備が気になり、冷蔵庫を開けて中を確認していました。

「裕子ちゃん、たまには先に入っちゃえば?」
「お義母さん、ありがとうございます。私、これだけやってから入るので、お先にどうぞ」

そう言って、メモを片手に納豆や野菜の在庫を確認していた裕子さん。リビングからは夫がスマホをいじる音と子供たちの声だけが聞こえる。

少しだけ慌ただしいけれど、特別なことのない、いつもの帰省の夜でした。

風呂場の小窓に浮かび上がった“人影”

しばらくして、リビングの電話が鳴りました。
「ちょっと、親父? あれ? いない。ごめん! 電話取ってもらえる?」

夫に言われて受話器を取った裕子さん。電話の主は、裏手に住むご近所の奥さんでした。

「今、お宅に不審者がいるかもしれないの! 警察、呼んだほうがいい?」

その声を聞いた瞬間、裕子さんの背中に冷たいものが走ります。
なにそれ、不審者? とにかく、急いで風呂場へ向かいました。

「お義母さん! 今ちょっといいですか?」
「どうしたの? 慌てて、なに?!」

裕子さんは、浴室のドアをほんの少しだけ開けて、顔を近づけながら小声で伝えました。

「裏の奥さんから電話がきて……誰か、のぞいてるって」

義母の動きが止まり、湯気の向こうにぴんと張りつめた空気が流れました。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.