皆さん、週末はどのようにお過ごしでしょうか。家族や親せきとの時間は、ほっとできるもの。でも、子供がいればそのお世話に追われて、思った以上にくたびれることもありますよね。筆者の知人である保育士のAさんは、義母から毎週末のように「遊びにおいで」と誘われていました。行き先はもちろん、義実家です。最初は気軽な誘いのつもりだったけれど……ある日、その関係にひびが入る出来事が起きたのです——。

“いるのよ”──
その言葉に、Aさんと義姉が同時に顔をしかめました。
場の空気がピリリと張りつめていました。

“お楽しみ”は、ご破算です

義母はたたみかけるように続けます。
「あなたも、お礼してくれるじゃない」

義姉は目を伏せ、静かに口を開きました。
「それ、お母さんが“お礼は当然よね”って言うから……親孝行できてないなって、ずっと引け目があったのよ」

Aさんは何も言わず、その様子を見守っていました。
義母は肩をすくめ、さらりと言いました。
「場所を貸してるのよ。食事もおやつも出してるし、それくらい当然でしょ」

その開き直ったような態度に、義姉は目を細め、怒りを押し殺して続けました。

「“子供好きでしょ?”って面倒をAちゃんに押しつけて、私はお母さんの遊びのためにお金を渡してたって事じゃない! そのお金で遊んでたの? ふざけないで」

──なんと義母のおしゃれの財源となっていたのは、Aさんをこき使っているにもかかわらず、あたかも自分が託児しているように見せかけ、お礼として実の娘からもらったお金だったのです。

言い終えると、義姉はゆっくりとAさんの方を振り返りました。
「私、こんなことお母さんがしてたなんて知らなかった。本当にごめんね」

Aさんは、黙ってうなずきました。

翌週、義姉は義母の桐たんすを開け、最低限の着物だけを残して、ジュエリーやバッグも一緒に、リサイクル業者に引き渡しました。
そして、義母に向かってはっきりと言いました。
「身の丈に合った、楽しみ方をしてください!」

おしゃれをして、カラオケスナックで羽目を外していた義母の“秘密のお楽しみ”は、ご破算となったけれど──。
今では暮らしを少しずつ整えながら、リサイクルショップで小さなおこづかい稼ぎを楽しんでいるそうです。

【体験者:30代・保育士、回答時期:2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。

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