筆者の息子は、4歳ごろから吃音(きつおん)の症状に悩んでいました。専門機関や療育に通っても症状はなかなか改善されず、小学校へ上がると少しずつ周囲から好奇の目で見られることが増えていったのです。
画像: 障がいのある息子を見て「変な話し方! うつるんじゃない?」心ない陰口を言った保護者に → 先生がピシャリ

吃音(きつおん)

吃音(きつおん)とは、話す時に言葉がスムーズに出てこない状態のことです。
息子の場合は、最初の言葉が出にくく、苦しそうに顔が真っ赤になったり、身体中に力を入れたりすることがありました。

吃音外来の先生には、周囲の理解がとても大事だと教えてもらっていたので、入学前から学校側と話し合い、せめて同じクラスの子どもたちや保護者だけにでも理解してもらえるよう働きかけを行ってきました。

でも、ある時同じクラスの保護者からとんでもない陰口を言われたのです。

授業参観

ある年の授業参観、子どもたちは国語の時間で作文を読むことになっていました。
人前で話す緊張は、吃音の症状を強くしてしまうため、息子は最初から言葉が出ませんでした。
なかなか言葉の出ない息子はとても苦しそうでしたが、クラスの友だちは「大丈夫!」「頑張れ!」などと励ましてくれていたのです。

しかし、私から少し離れた所にいた保護者が「何か、変な話し方だよね? あれってうつるんじゃない?」と言っているのが聞こえました。
今までさんざん吃音に関する話をしてきたのに、子どもよりも大人が理解がないことに私はショックを受けました。

理解のない大人

授業参観が終わり、保護者会の時間になりました。

授業中に発せられた息子に対する保護者の声は、教室を歩きながら授業をしていた担任の先生に聞こえていたらしく、担任の先生が「ちょっとよろしいですか?」と話し始めました。

「今日の授業参観で少し残念なことがありました。一生懸命頑張っている子どもに対する理解のない発言です。お心当たりのある方がいらっしゃると思います。私はこのクラスをそういう理解のないクラスにはしたくありません。どうか保護者の皆様にもご協力をお願いしたいと思っています。」

先生の声は少し怒りを含んでいて、誰のことを言っているのかはすぐに分かりました。

知らん顔

それでもその当事者は知らん顔をしていました。
周囲にいる取り巻きたちの方が挙動不審に。

それから私はその保護者たちとは一切付き合わないことを決意しました。
ちなみに授業参観の日を境に、その保護者たちは周囲から浮いてしまっています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

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