GWは初夏の陽気に誘われて、家族でレジャーを楽しむ絶好のタイミング。今回は私の大学時代の友人、梨花さん(仮名)から聞いた話です。帰省を兼ねたレジャーを、張り切って計画した梨花さんでしたが、そんな彼女に待っていたのは……。
画像: 義母「気がきかない嫁ね」帰省で心無い言葉。絶望する嫁だったが → 翌朝『思わぬ展開』に──!?

家族旅行気分で迎えたGWの帰省

梨花さんは、普段年末年始に帰省していますが、混雑で大変だったため、今年はGWに夫の実家へ帰ることにしました。
帰省しながらレジャーも楽しめるとあって、子どもたちも「旅行みたい!」とはしゃいでいます。
梨花さんも、久しぶりの義実家に少し緊張しつつ、「これならきっと楽しいはず」と期待していました。

義母のひと言が胸に刺さる

到着してすぐ、梨花さんの計画は音を立てて崩れました。
夫は地元の友人との再会にはしゃぎ、連日飲み歩き。朝帰りも珍しくなく、昼間は二日酔いでゴロゴロするばかり。楽しみにしていた家族レジャーの予定は、すべて白紙になりました。

梨花さんは、一人で子どもの相手をしながら、勝手のわからない義実家で気を張りっぱなし。
家事に親戚の挨拶回りまで、ひと息つく暇もありませんでした。
「せめて夫が少しでも手伝ってくれたら……」そんな願いもむなしく、夫は布団から起き上がる気配すらありません。

追い打ちをかけるように、義母がつぶやいた言葉が梨花さんの胸を刺しました。
「気がきかない嫁ね」
その瞬間、心がぎゅっと締めつけられ、梨花さんは思わずうつむきました。
こんなに頑張っているのに、どうして——。悔しさとむなしさが込み上げ、涙がにじみそうになりました。

実は、梨花さんと義母はもともと距離のある関係。
気軽に声を掛け合えるような間柄ではなく、遠慮のある空気がつねに漂っていました。
そんな中で、呼ばれてもすぐに反応できなかったり、どう動けばいいのか迷ってしまうことも。
その一瞬の「間」が、義母の目には「言われなきゃ動かない嫁」と映ったのかもしれません。
けれど、梨花さんには悪気なんて少しもありませんでした。
慣れない場所での家事や気遣いに追われ、余裕なんて一つもなかったのです。

義母の怒声が──

もう何日こうして過ごしているんだろう——。
GWに入ってから、夫は毎朝布団から出てきません。昼近くまで寝たままです。
梨花さんは、ひとり台所で静かに洗い物をしていました。
ふと顔を上げると、義母がじっと見つめています。「また何か言われるかも」胸がざわつきました。

「いいかげんにしなさいよ!」
怒声が響きます。梨花さんは思わず手を止めました。でも、それは夫に向けられたものでした。「奥さんがぜんぶやってるのよ!」。義母の怒りが夫にぶつけられます。

思わぬ展開に、梨花さんは息をのみました。

「こんな息子でごめんなさいね……あなた、しっかりしているわね」ふいにかけられた言葉が、胸にふっと明かりを灯したようでした。

気づけば、味方ができていた

帰るころには、義母と自然に笑い合えるようになっていました。ぎこちなかった距離が、ぐっと縮まったように感じたのです。「また帰ってきてね」と義母が手を振ったとき、梨花さんは素直にうなずきました。

夫のだらしなさは変わらないまま。でも、義母が夫を一喝したあの瞬間、思わずニヤけてしまいました。それだけでなく、義母が「ちょっと休んで」と声をかけてくれるようになったことが、何よりうれしかったのです。
すべてがうまくいったわけではありません。それでも、義母と少し仲良くなれた気がして、梨花さんはうれしくなりました。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。

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