筆者の息子は小学校3年生の時にイジメに遭い、不登校になってしまいました。学校や先生に相談したものの全く状況が改善されなかったため、息子は『学校』や『先生』に対して不信感を持つようになってしまったのです。
画像: 「助けてって言っても何もしてくれなかった」学校に不信感を抱き、不登校になった息子だったけど──?

不信感

息子は不登校になった頃、小学校の先生たちに強い不信感を持っていました。
「ぼくが助けてって言っても何もしてくれなかった。」と学校からのコンタクトを一切拒否するほどでした。

不登校のまま5年生になった時、知り合いに紹介されたフリースクールへ見学へ行くと、今まで頑なだった息子が「行ってみたい!」と一言。
それから卒業までフリースクールへ通えるようになりました。

フリースクールの先生は一人ひとりに寄り添ってくれるところがあり、息子のペースや気持ちを肯定してくれたため、息子も心を許せたのでしょう。
その後、フリースクールの先生の進言もあり、息子は別の学区の中学校へ進学することになったのです。

中学校の担任

中学校は学区外だったため、超アウェーの状態。
私はとても心配していたのですが、担任になったK先生が驚くほど良い先生だったのです。

事情を知っているK先生は、保護者である私にも「息子さんを信じましょう。何かあれば私が力になります。」と声をかけてくれました。
息子にも「俺がついているんだから大丈夫!」と背中を押してくれたとか。
何度か精神的に疲れてしまい、学校を休むこともあったのですが、K先生はその都度家まで様子を見に来てくれるようなあたたかい先生だったのです。

払拭

ある日、息子は学校でK先生に声をかけられて、2人で話すことに。
その時K先生は「お前は十分頑張ってるし、学校に来てるのはすごいことだと思う。自分できちんと折り合いをつけることができてる証拠だ。心配なことも多いと思うけど、絶対大丈夫だから!」と言ってくれたそうです。

学校や先生に対する不信感のあった息子は「僕は、N先生(フリースクールの先生)に言われて今の学校へ行ったけど、K先生はN先生のこと知ってたんだよ。同じ学校で働いたことがあるんだって。あの2人がいなかったら、僕は今も不登校だったかもしれないなぁ。」と言いました。

息子にとっては、フリースクールの信頼できるN先生に加えて、進学した中学校の担任・K先生の存在がとても心強かったのだと思います。

後日談

後日、個人面談でK先生は「N先生は僕の先輩なんです。きっとN先生がこっちの学校へ行ってみればと言ったのは、僕がいるからと思ったのかもしれません。」と話してくれました。

本当に生徒のことを考えて、支えてくれる先生がいるという安心感。
不登校は大変な思い出でしたが、だからこそ出会えた人がいる……息子も完全に不信感を払拭できたようで、今は元気に学校へ通っています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

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