筆者の友人・T江は30代後半で5歳年下の夫と結婚。男の子を授かり、3人で暮らしていました。しかし、結婚するまでの交際期間が短かったせいか、結婚後に夫の欠点が見え始め、だんだんと夫婦仲が悪くなっていってしまったのです。
画像: 「言わなきゃよかった」と後悔。夫への不満を息子に話したら──母の言葉が招いた『悲しい結末』

面倒臭がりの夫

何よりも気に入らなかったのは、夫が極度の面倒臭がりだったことです。
勤めている会社もブラック企業で、給料も驚くほど少なかったので、何度も転職してほしいとお願いしました。

それでも夫は「面倒臭い」「この年じゃ無理」などと言って一向に動きません。
育児も家事もワンオペで大変な私を労うこともせず、面倒臭がって何もしない夫に、だんだん愛想が尽きていったのです。

孤独

私は結婚と同時に夫の故郷に引っ越していて、腹を割って話せる友人がほとんどいませんでした。
地元に帰れば友人がたくさんいるのに……と孤独を感じることも多く、ちょっとした愚痴を話せる相手が欲しかったのです。

そのせいか、私は夫の悪口を成長した息子に聞いてもらうようになりました。腹が立ったときなどは「私は男を見る目がないよね」「何であんな男と結婚したんだろう」「家のことを何もしないなら帰ってこなくても良いのに!」などと、怒りに任せた愚痴を聞かせることも増えてしまいました。

刷り込まれた悪意

息子が中学生になると、反抗期もあって父親を毛嫌いするようになりました。
「奥さんに仕事させなきゃ生活できないなんて男として情けない」「今の時代は家事だって分担するべきなのに何もしないなんてありえない」などと言い出すようになってしまったのです。

私はそんな息子の様子を見ていて「私が父親の悪口ばかり聞かせてしまったからかもしれない」と思ったのですが、すでに後の祭り。
小さい頃から「刷り込まれた悪意」ともいえる父親のイメージは、覆すことができませんでした。

後悔

今でも息子は父親が大嫌いです。
そんな息子を見て夫は「俺の何がいけないんだろう」と悩んでいるのですが、変わろうという努力は全くしてくれません。

息子は「反面教師にするよ」と言っていますが、あれほど父親を嫌いにさせてしまったのは私のせいだと思います。
息子にあんなことを言わせてしまったのは私……文句を並べるのであれば、さっさと離婚すれば良かったのではないかと後悔する毎日です。

【体験者:50代女性・会社員、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

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