孫は目に入れても痛くないほど可愛いと言います。筆者の母もまさにその一人。私たち姉妹には厳しいしつけをしてきた人なのに、孫に対してはまったく変わってしまったのです。そんな母を見た私たち姉妹は──?

食事のマナー

私は自分たちが仕込まれた(?)しつけをそのまま継承し、小さいながらにも子どもたちにマナーを口うるさく言うようになっていました。

実家で妹たちと食事をごちそうになっていたとき、息子がいただきますを言わなかったため「いただきますは?」と私は注意しました。
するとその様子を見た母が「あなたは食事中にいろいろうるさく言いすぎなんじゃない? もっと楽しくご飯を食べられるようにしなくちゃダメよ。」と言い出したのです。
私と妹はこの言葉を聞いて、思わず顔を見合わせてしまいました。

豹変しすぎ?

私たちが子どもの頃、母は「食事中はあまりしゃべらない!」「テレビを見ながらなんてとんでもない!」などと言っていたのに、孫に対しては全く違いました。

別の日も、食事中に子ども向け番組を見せながら、話しかけて笑わせようとしていた母。
その様子を見た妹も「あのお母さんが信じられない。」と呆然……。
あまりの豹変ぶりに、私たち姉妹は何だかモヤモヤしてしまいました。

母の他界

その後、孫たちが高校生の頃に母は他界。
お通夜で思い出話をしていると、孫たちは口をそろえて「ばあばはとっても優しかった。」「大好きだった。」と言っていました。

妹が「ばあばも若い頃は厳しかったんだよ。」と言うと、孫たちは信じられないという顔。
妹は涙を流しながら「変わりすぎなんだよ、お母さん。」と祭壇に向かって話しかけていました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

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