これからもずっと一緒にいると思っていたご両親が熟年離婚を選んだら、誰だって驚き戸惑いますよね。
実の子どもでも分からない、夫婦という間柄ならではの葛藤や苦悩があるようです。
今回は筆者の友人から聞いた、熟年離婚に関するエピソードをご紹介します。

私が1歳の誕生日を迎えた頃、なんと父が職場不倫をしていたことが発覚していたというのです。

母が問い詰めると、父は開き直って、
「お前1人で子どもたちを育てられるわけないだろ」
と嘲笑うように言い放ったそう。

子どもを想う母

当時、母は専業主婦。さらに、幼い私の育児をする母でありながらお腹に弟もいる妊婦でした。

「急に働くこともできないし、1人で子どもたちを十分に育ててあげられる自信がなかったの」

そのため父がその後も不倫していることを黙認し、自分の気持ちを押し殺して私たちを育てることに専念し続けたという母。

子育てに対する金銭的援助と引き換えに、妻として愛されたいという気持ちを犠牲にしていたのだと話してくれました……。

ありがとう

数年後、母はパートから仕事を始め、正社員に昇格。

あまり家に帰ってこない父に代わって、子育てをしながらコツコツお金を貯めていたそう。

「ようやく老後の資金が貯まったタイミングで2人とも成人を迎えたから、離婚を決意できたのよ」
と苦笑いしながら言った母。

その話を聞いて『私たちのことが負担になっていたのかも』と心配になりました。

でも私たちがそう不安がることを察していたかのように『あなたたちの存在が私の生きる希望だったの』と話す母に思わず涙がこぼれたことを覚えています。

幸せになって

父は長年不倫して母に育児をすべて任せてきたという負い目もあってか、母からの離婚の申し出を素直に受け入れたそう。

父の秘密を知ってショックでしたが、母の偉大な愛も感じることができました。

無事離婚した今、これから母には自分のために第2の人生を謳歌してもらいたいと願っています。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。

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