筆者の体験談です。婚約が決まり、いつ婚約指輪を買いに行くんだろうとワクワクしていましたが──。

なぜか【本真珠セット】に

「婚約指輪なんだけど、本真珠セットにすることになったよ」
と開口一番、夫が言いました。
義両親に指輪を買いに行くと相談したところ、
「嫁は冠婚葬祭用の本真珠セットを買うだろうから、ちょうど産地に知り合いがいるし安く買えるから、それを贈ろう。一石二鳥でしょ」
と、勝手に決められてしまったとのこと。

確かに、本真珠のセットは用意するつもりでした。
でも、それとこれは違います!
どうして一番大事なことを、私抜きで決めてしまうのかと腹が立ちました。

結納の席で広がる沈黙

しかし、こちらは受け取る側なので強く言えず、モヤモヤした気持ちのまま迎えた結納の日。
届いたのは、ぽっちゃり体型の私には小さすぎる指輪と、短すぎるネックレスでした。
指にはめることもできず、沈黙が広がる結納の席。

「一緒に買いに行こうと思っていたのにね」
結納が終わり義家族が帰宅した後、肩を落とす両親を見て、私の胸が苦しくなりました。
夢見ていた瞬間は、こんなものではなかったのに。

今も残るモヤモヤ

結局、サイズ直しと調整費用は自己負担。
母が知り合いの真珠店に持ち込み、費用を負担してくれました。
店の人は 「いい物ですね」 と言ってくれましたが、私の心は晴れません。

今も、真珠をつけるたびに思い出します。
薬指にはめる喜びも、夫と一緒に選ぶ幸せも、私は知らないままでした。
義両親の決めた価値観に従うしかなかったあの頃。
そして今も、真珠を見るたびに、心の奥底に消えないモヤモヤが広がるのです……。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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