子育てって本当に難しいですよね。特に、子どもに何かを教えようとする時、どう伝えたらいいのか悩んでしまうことってありませんか? 今回は、子育て中のちょっとした失敗談を、筆者の友人が聞かせてくれました。
画像: 「早く宿題しなさい!」でも、私の言葉は空っぽだった──叱られて泣く娘に気付かされた『親の課題』

子育てのこだわり

今年7歳になる娘の美香(仮名)に、私は常々「自分の意見をしっかり言いなさい」と教えてきました。
曖昧な言葉ではなく、何がどう嫌なのか、自分はどうしたいのかを具体的に伝えるように言い聞かせてきたつもりです。

大人になって困らないように、自分の気持ちをきちんと言葉で表現できる人になれるように……そんな願いを込めて。

娘の反論

先日、決められた時間になっても美香が宿題をせずに遊んでばかりいたので、私はついカッとなって大きな声で叱ってしまいました。

「もう! どうして宿題しないの!?」「早くやりなさいって言ってるでしょ!?」と。
仕事でイライラしていたのもあり、感情的な言葉が止められませんでした。

すると、美香は泣きながら、意外な言葉を口にしました。
「ママっていつも『ちゃんと』とか『早く』とか言うばっかりで、何をどうしてほしいのか全然わかんないよ!」

衝撃の事実に気付いてしまい?

美香の言葉に、私はハッとしました。
確かに、私は美香に具体的な説明や指示をせずに、ただ「~しなさい」と命令口調で言うばかりでした。

普段から美香に求めている「自分の意見をしっかり言う」ということを、親である自分自身が実践できていなかったと気付いたのです。

まるで鏡で自分の姿を見せつけられたような気がして、恥ずかしさと反省の気持ちでいっぱいになりました。

子育ては親も一緒に成長していくもの

私は美香に「ごめんね、ママが悪かった。これからはちゃんと説明するね」と伝えました。
そして、その後は意識して自分の言葉を変えるように努めました。

例えば、おもちゃが散らかっている時、「おもちゃが散らかっていると、危ないし掃除もしづらいから、片付けてほしい」と具体的に伝えるようにしました。

最初は慣れませんでしたが、次第に美香も落ち着いて私の言葉に耳を傾けてくれるようになり、以前より自分の気持ちを言葉で表現できるようになってきたようです。

子どもに徹底させようとしていたくせに、実は自分のほうができていなかったなんて、よく考えると情けない話ですよね。
子育てを通して、私自身も成長させてもらっているのだと、改めて実感した出来事でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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