「レストランでは帽子を脱ぐべき」という考えと、個々の事情が交差する瞬間──。
その時彼女が下した決断とは? 筆者の知人A子から話を聞きました。
旅先のレストランで思わぬ出来事
A子は、旅先のレストランで食事を楽しんでいました。
そんな彼女の耳に、近くの女性3人組がひそひそとA子の方を向いて話をする声が聞こえてきました。
「レストランで帽子って、マナー違反じゃない?」
さらに彼女たちは、近くにいた店員に「注意してほしい」と伝えたのです。
突然の出来事に戸惑うA子。
とはいえ、病気のことを説明するのもためらわれます。
けれど、このまま誤解されたままでいるのもつらい。
悩んだ末に、A子は静かに店員に伝えました。
「治療の影響で髪が抜けてしまい、帽子を脱ぐのは難しいんです」
店員の温かい対応に救われる
A子の言葉を聞いた店員は、落ち着いた声で優しく答えました。
「当店では、よほど華美でなければ帽子を被ったままでも問題ありませんよ」
そのひと言に、A子はホッと肩の力が抜けました。
ルールを一方的に押し付けるのではなく、状況を理解して柔軟に対応してくれる店側の姿勢がありがたかったのです。
一方、帽子のことを指摘していた女性たちは、気まずそうな表情を浮かべていました。
もしかしたら、自分たちの言葉が相手を傷つけてしまったことに気づいたのかもしれません。
旅の中で感じた本当のマナーとは
「レストランでは帽子を脱ぐべき」というのは、多くの人が当然と思っているマナーかもしれませんが、すべての状況に当てはまるわけではありません。
マナーとは単なるルールではなく、周囲の人への気遣いの一つでもありますよね。
思いがけない出来事に驚いたものの、店員の温かい対応のおかげで、A子は安心して食事を楽しむことができました。
そして、旅の中で「本当のマナーとは何か」について、改めて考えるきっかけになったのでした。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。