筆者の体験談です。父が亡くなり、葬儀の詳細を決めるため、家族で話し合いを行いました。伯母たちとも事前に相談し、「院号は不要」との合意を得ていたのですが……。
画像: 事前に合意したはずが── 葬儀の相談中、伯母たちの【まさかの要求】 で、費用が60万円増加!

事前に根回し

伯母たちは「昔の我が家は羽振りがよく、一目置かれる存在だった」とよく話していました。
しかし、現状は普通の暮らしです。
家族で相談し「うちは分家で後を継ぐ孫もいないから院号(戒名の上につける特別な称号)は不要」 と決め、伯母たちにも確認を取りました。
「お坊さんにも聞いたけれど、院号があってもなくても行く天国は変わらないそう。居士(戒名の下につける称号)でいいと思うけれど、それでいいですか?」
伯母たちは「あなたたちが決めることだからいいと思うよ」と快く了承してくれ、安心していました。

葬儀の打ち合わせ

事前に葬儀社のパンフレットをもらい、祭壇のイメージも予算も確認済み。
華美ではないものの、親戚が多く、フラワースタンドなどで十分に華やかになると考え、私たちは必要以上に豪華にする必要はないと判断。真ん中くらいの値段の祭壇にすることに決めました。

しかし、葬儀社の職員さんが到着して具体的な打ち合わせが始まると、伯母たちの態度が一変。
「祭壇がさみしいから、もう一つ上のグレードに」
「骨壺も、もう少し豪華なものにしたら?」
「お父さん(祖父)も院号だったのだから、弟(父)も院号にすべきよ」
伯母たちの夫はどちらも社会的地位が高く、裕福な暮らしをしています。
私たちには「あなたたちが決めること」 と言っていた伯母たちでしたが、いざ葬儀社との相談が始まると急に 【家の格式】 を気にし始めたようでした。

誰のための見栄?

「親戚が集まる場で 【あの家はこんなものか】 と思われるのはよくない」と口にした伯母たち。
「見栄を張る必要はない」 と思っていた私たちと、考えが違うことはわかっていました。
だから事前に確認したのに……。
父は末っ子、母も義姉である伯母たちには昔から逆らえません。
結局、葬儀は豪華なものになり、当初の予算より60万円も高くなりました。

どっと疲れた三日間

葬儀後、弟と片付けをしながら話しました。
「伯母たちの気持ちに寄り添って先に確認したのに、結局は見栄や周囲の目が勝ったんだね」
もちろん、父を立派に送り出したい気持ちは私たちにもありました。
ただ、今後のことも考えて事前に相談していたのに……。
根回しの意味がなかったことに、虚しさと憤りを感じずにはいられませんでした。

葬儀は【家の格式】 や 【周囲の目】 を気にする人がいると、思い通りにはいかないことを痛感した出来事です。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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