卒園式は子どもの成長を喜ぶと同時に、少し寂しさも感じる、そんな特別な日ですよね。でも、中にはさらに複雑な感情を抱いている人もいるかもしれません。今回は、シングルマザーの友人が話を聞かせてくれました。

寂しさに胸が締め付けられ……

卒園式の後、多くの家族が記念写真を撮る中、私も息子と2人で写真を撮りました。
でも、どうしても「家族写真」としては不完全な気がして、寂しさが募ります。思わず俯いてしまう私に、息子が「ママ、どうしたの?」と心配そうに手を握ってきました。
そんな息子に、私は「嬉しくて……」と答えるのが精一杯でした。

その時、息子の友達が「Aくん(息子)のパパは?」と無邪気に尋ねてきました。

1人じゃない

私がハラハラしながら見守っていると、息子は「僕のパパはね、死んじゃったからいないけど、お空の上から僕のこと見てるんだ! だから今日は、パパも一緒に卒園式に来てるんだよ」と笑顔で答えました。
そして私を振り返り、「たぶんパパもママのこと『よくがんばったね』って言ってるよ!」と続けました。

息子の純粋な言葉に、こらえていた涙が溢れ出しました。
周りの家族連れとは少し違う形かもしれない。でも、息子と夫の愛情に包まれていることを実感し、私は「1人じゃないんだ」と思えました。
胸を張って、これからも息子と共に生きていこう! そう強く決意した卒園式でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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