筆者の体験談です。
父の持病が悪化し、入院することになりました。父の希望は「個室」。しかし、経済的負担が大きいため、家族で説得を試み、何とか「大部屋」 に入ってもらうことに成功していたのですが──
画像: 差額ベッド代は苦しい──父に「大部屋」に入院してもらった3日後 → 病院から『驚きの連絡』が!

病院から突然の呼び出し

父は人見知りの性格で、あまり人づきあいが上手な方ではありませんでした。
とはいえ、入院も初めてのことではなかったので、周囲に迷惑をかけることはないだろうと安心していた私たち。

ところが、入院から3日後、病院から突然の電話。
「相談があるので来てください」
と言われ、慌てて来院すると
「個室に移動をお願いしたい」
とのことでした。

満室だったはずの個室が空いたのかと思いきや、理由については詳しく教えてもらえず。
【病院の判断】 とだけ説明されました。
不思議に思いつつも、もともと個室を希望していた父は喜んでいたので、家族も納得することに。

個室での生活

約1カ月の入院生活。
父は快適そうに過ごしていたのですが、ある日、談話室で大部屋時代の同室者と偶然話す機会がありました。
そこで聞かされたのは、驚きの理由。

「いびきがうるさくて眠れない」「夜中に何度もトイレに行くのが気になった」
と看護師さんに言おうと他の患者さんから賛同を求められて、同意してしまった、
と謝られたのです。

言い訳を手に入れた父

無口な父が、まさか【苦情の原因】 になるとは……。
予想外の結果に移動を余儀なくされたことに驚きつつも、大部屋では他人の音や行動が気になる人もいるだろうと納得しました。

しかし、この出来事を境に、父の【個室希望】 は一層強くなりました。
以降の入院でも「大部屋だとまた追い出される」 「僕には個室が合ってる」 と言い張り、何かと理由をつけては家族が説得してもそれを聞き入れません。
結局、個室入院が当たり前になり、家族は経済的負担を抱えながらも受け入れるしかありませんでした。

個室入院が恒常化に

今では、父のわがままに振り回されたこの話も、家族の鉄板ネタ。
「お父さん、あの時も大部屋から移動になって実は嬉しかったんだものね。音などでほかの人に迷惑を掛けてしまったことは申し訳なさそうだったけれど」
「お父さんのいびきは地響きみたいだから、仕方ないか!」
とみんなで笑い合いながら、当時の出来事を振り返ることも増えました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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