家や車、大型の家電など夫婦で高価な買い物をする際、接客してくれるスタッフは旦那さんがお金を出すものだと思っていることが多いですよね。今回はそんな高額なお買い物でモヤモヤする経験をした筆者の知人、Nさんに聞いたお話です。

担当のディーラーの態度に……

「試乗の予約をしていたNです」
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました!」
ディーラーに目当ての車を試乗しに行ったNさん夫婦を、身なりをきちんと整えた担当の男性が笑顔で出迎えてくれました。

「このボタンを押すとですね……」
男性は旦那さんに向けて、試乗する車の機能を説明し始めました。
「ん? 私ではなく妻の車なんです。買うのも妻ですし」
そう言った旦那さんの声が聞こえなかったのか、男性はなおも旦那さんに説明を続けます。
「あのー、この車って〇〇機能はついてますか?」
「それはですね」
Nさんが質問をしても、男性は旦那さんの顔を見て答えました。
「もしかして旦那が乗ると思ってるのかな? 買うのも乗るのも私だし、私に説明して欲しいんだけど」
そう思ったNさんは男性と旦那さんの間に割り込んで説明を聞こうとしました。
「ああ奥様、何かご不明な点でも?」
そこで男性は初めてNさんの方を向いてくれました。ただし試乗車のキーを、旦那さんの方に差し出しながら。その態度にNさんは我慢がならなくなってしまいました。

「不明なのはあなたの態度です! この車はさっき言ったように私が買って、私が乗るんですよ! もうここでは買いませんけど」
そう言って試乗をキャンセルし、Nさん夫婦は他のショールームに行くことにしました。

悪気はなかったのかもしれませんが、車と言えば男性が買うもの、という先入観のせいで高級車を1台売り損ねましたね。先入観にとらわれることなく、実際に乗る人に向けて説明して欲しいものです。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。

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