年齢が上がるにつれ、若い頃にはなかったような急な体調の異変に襲われることが増えてくるもの。
これは、私の親戚が急な体調不良で病院へ行った際に、とんだ大失敗で大恥をかいたエピソードです。

病院に到着

田舎の小さな病院ということもあり、待合室は満員で、毎回必ず知り合いに遭遇するのです。
この日も例外はなく、近所のおばさんや仕事関係の知り合いの人がいて、そのたびに「実は帯状疱疹が再発してしまって……。」と説明をする羽目に。
少し気まずい思いでしたが「えぇ! それは大変でしたねぇ。」ととても心配をしてくれました。

しばらくして名前を呼ばれ、知り合いに「お先に」と一礼してから診察室に入りました。

椅子に座ると先生が、問診票に目を通しながら
先生「なるほど。今日は、お腹の左側に発疹ができたんですね。」
私「はい。数年前に帯状疱疹にかかったのですが、再発したんじゃないかと。」
先生「わかりました。じゃあ一度見せてくださいね~。」
そう言いながらまじまじと発疹を確認すると、待合室まで響き渡るような大声で

先生「これはダニだね!!」

と言い放ったのです。
「へ?」とすっとんきょうな声を出す私に追い打ちをかけるがのごとく
先生「帯状疱疹じゃなくて、ダニ! ほらここ噛まれた跡わかるでしょ!?」
とこれまた大きい声で喋り始めました。

おそらく見たこともないくらい顔が真っ赤だったことでしょう。
逃げるように診察室を飛び出すと、目の前には近所のおばさんと知り合いが座って、微笑んでいるようなニヤけているような、なんとも言えない顔つきでこちらを見ていました。
「あははは! ダニでした!」と自ら恥の上塗りをし、人生で1番機敏な動きで会計を済ませ、家路に着きました。

案の定、家族にも職場の人にも笑われ、早とちりで勝手に病名をつけてはいけないと大変教訓になった出来事でした。
病院にかかる際には、みなさんも気をつけてくださいね。

【体験者:50代・女性会社員、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:かたひらむぎ
大手マスメディアに勤務し、結婚を機に退職。現在は2児を育てる専業主婦ライター。家族や友人など、波乱万丈な人生を送る人たちに囲まれ、取材対象に。インタビューを行う中で「事実は小説よりも奇なり」を実感。体験者のリアルな思いを読者に届けるべくltnで活動中。

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