通学中の子どもたちに、近所の方が声をかけるのはよくある風景ですよね。「おはよう!」「いってらっしゃい」の挨拶だけでなく「頑張って!」と激励の言葉をかけることもあるでしょう。今回は、筆者の母の知人女性が子どもたちへの声かけの難しさを痛感した実体験をご紹介します。

Hさんの声かけで、Tくんは苦しんでいた

「息子は鬱なんです」

Tくんママの発言に、Hさんはびっくりしすぎて声も出ませんでした。

なんと半年前に、夫が急死。

それからTくんは塞ぎ込むようになり、鬱のような状態が続いていたとのこと。

そして先日、児童精神科で『軽度の鬱症状が見られる』と診断されたのです。

このとき、先生との会話の中で「毎朝Rくんのおばあちゃんから『頑張って』と言われるのがキツかった」とポロっと話してくれたとのこと。

Tくんママは、申し訳なさそうに「しばらくは声をかけずにそっとしておいてください」とお願いしてきたのです。

コミュニケーションの難しさを痛感

Hさんも事情を知らなかったとはいえ、もっとTくんの様子を観察してあげれば良かったと反省。

そしてTくんに、つらい思いをさせたことを謝りました。

今は、登下校時は余計な声かけはせずそっと見守るようにしています。

私たちの行動や言葉が、思わぬ形で相手に影響を与えることもあります。

相手の立場に配慮したコミュニケーションをとることの大切さと、難しさを痛感するお話でした。

【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2024年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:広田あや子
教育関係のキャリアを経て、ライターに転身。実体験に基づく記事は、「真実は小説より奇なり」を痛感し、体験者へのヒアリングを通じての執筆に特化。プレママ・ママを対象としたサイトを中心に執筆し、特に義実家トラブルネタを得意とする。

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