友人から聞いた話です。スーパーで特売の卵を手にした瞬間、背後から奪われた!? 落ち込む私の前に職場の先輩M子さんがやってきて……?

あの時のおばあさんが!

その時、私から卵を奪ったおばあさんが通路に現れ、バチッと目が合いました!
「M子さん、見て! あの人が私の卵取った人!」私はムキになって先輩に伝えました。
「……あの人なの? あらまぁ。私に任せて」そう言うと、先輩はさっきのおばあさんに近づいていきました。

文句を言うと思った私は、慌てて先輩のカートを掴み「私は大丈夫ですって!」と叫ぶと、ふふっと笑って制したM子さん。
「違うわよ、ちょっとお話するだけ」と言って、そのおばあさんに近づいていきました。

先輩、さすがです!

「Kさんもお買い物?」先輩がそう声をかけると、振り返ったおばあさんは、「あっ、先生!」と慌てて笑顔を作ります。

先輩は趣味が高じ、自宅で塗り絵教室を開いていました。
なんと、おばあさんはその教室の生徒だったようです。

「Kさん? 子連れの若い人から卵を奪うなんて。栄養って、誰かから必死に物を奪ってまで取るものかしら?」
そう言われたおばあさんは慌てて首を振ります。そして顔を真っ赤にして、
「いえ、そんな……」と小さな声で答えました。
どうしても卵が欲しかったのかもしれませんが、人の手を叩いていい理由にはなりませんよね。おばあさんは私のカゴに卵を入れると、逃げるようにその場を去って行きました。

【体験者:30代・主婦、回答時期:2023年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:N.tamayura
長年勤めたブラック企業を退職し、書くことを仕事にするために転職した駆け出しライター。在職中に人間関係の脆さを感じた経験から、同世代に向けて生き方のヒントになるような情報を発信すべく、日々リサーチを続けている。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.