子どもの習い事の中でも、ピアノは特に大人気ですよね。集中力などが身に着くため、習わせたいと考えている親御さんも多いでしょう。ピアノ教室や音楽教室など、教えてくれるところは多いものの、気になるのはいわゆる月謝。今回は、そんなピアノ教室にまつわるトラブルに遭遇した筆者の知人、Hさんのお話です。
画像: ご近所さん「うちの子にピアノ教えて! 月謝は払うから」快諾するも → まさかの金銭トラブル発生!

ご近所さんに頼まれて

Hさんは音大を卒業し、音楽教室でピアノを教えたり、飲食店などでピアノを演奏したりする仕事をしているプロのピアニストです。

実家に大きなピアノを置いて、毎日ピアノの練習を欠かさずに行っていると、その音色を聞いたご近所さんから「ピアノを教えてほしい」と頼まれることもよくありました。

そのため実家で週に数回ピアノ教室を開くことにして、小さな子どもから年配の方まで、たくさんの人にピアノを教えています。

時には生徒の自宅に出向き、出張でピアノの個人レッスンをすることも。

Hさんは教え方が優しく、ピアノの腕も確かなことから、Hさんのピアノ教室はご近所でも評判でした。

月謝の額にビックリ

そんなある日、ピアノの練習中のHさんを、最近引っ越してきたというご近所さんがいきなり訪ねてきました。
「うちの子にもピアノ教えてほしいの! あなたピアノ上手いって聞いたわよ。でも送り迎えできないから個人レッスンにして!」
小さな子どもを連れてやってきたご近所さんはまだ若い母親で、挨拶もそこそこに同年代のHさんにピアノを教えるよう頼んできます。

Hさんはその人の勢いに押され、とりあえず家に上げました。
「レッスンは別にいいですけど……」
「もちろん月謝は払うわよ! 子どもの教育にはお金を惜しまないから。きっとうちの子才能あると思うんだよねー」
Hさんは若干引きつつも、ピアノ教室の生徒に渡している年齢や回数別の月謝の一覧表を母親に見せました。
「まだ3、4歳ならこれくらいかな」
子どもの年齢に合わせた金額を提示したHさん。ご近所さん向けのピアノ教室であるため、5,000円とかなりお手頃な料金のはずでした。

「えー! 高くない!? ご近所のよしみで、月500円でいいでしょ!」
母親はそう言って500円玉をHさんに握らせました。もちろんHさんは丁重にお断りしたそうです。

ピアノという相当な練習量や苦労を積んで得た技術を教えてもらうのですから、さすがに500円は安すぎますよね。

【体験者:20代・女性ピアニスト、回答時期:2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。


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