モラハラを受けたことで、被害者が無気力になってしまうケースは少なくありません。今回の被害者は筆者の友人・F美。夫から酷いモラハラを受け続けたF美は諦めばかりの生活を送っていましたが、成長した子ども達の言葉で立ち上がる決心をします。
画像: 「モラ夫に反抗するだけ無駄」「我慢しなきゃ」怯える私を変えたのは → 成長した子どもたちだった

諦め

私の夫は超がつくモラハラ夫です。
結婚当初はまだ良かったのですが、息子たちが生まれてからはモラハラが勢いを増し、私が仕事に復帰することも許さず「お前みたいな女は家事や育児だけやってればいい!」「お前を必要としている会社なんてあるわけがない!」など、バカにするようなことばかり言い続けていました。

息子たちにも同じような態度を取り、自分の思い通りにならないと怒鳴ったり手を上げたりすることも。
小さい頃は父親を慕っていた息子たちも、だんだんと父親を避けるようになりました。

私は「仕事もしていないし、今離婚しても親権も取れないだろうから、我慢するしかない」「反抗しても無駄なだけ」と諦めて生活を送っていたのです。

成長

そんな中でも息子たちは順調に成長し、長男は弁護士に、次男は司法書士になることができました。反対に夫はというと、早期退職者の候補者になってしまい、再就職先を探す毎日。
プライドを傷つけられてイライラしているせいか、私へのモラハラも一層ひどくなっていました。

そんなある日、就職して家を出ていた2人の息子が一緒に帰ってきました。
2人は私の顔を見るなり、こう言ったのです。

「お母さん、もうあんな人とは一緒にいない方がいいよ」
「俺たちのためって我慢してたんだろうけど、もう2人とも独立したし、離婚してこの家を出れば?お母さんのフォローは俺たちでするから大丈夫だよ」

小さい頃から父親のモラハラを目の当たりにしてきた息子たちは、私に夫との離婚を勧めてくれました。

帰宅

3人で話していると、夫が帰宅しました。
久しぶりに息子達と顔を合わせたのに嬉しそうな顔もせず、「何で飯ができてないんだ!」と私に怒鳴り始めたのです。

すると、長男がボイスレコーダーを出し「お父さん、久しぶり。ちなみに今のは録音してるよ。離婚するときの証拠になるからね」と一言。
次男も「そんなにお母さんのことでイライラするなら、出てってもらえばいいんじゃない? その方がお父さんも気持ちが安定するでしょ」と言いました。

怒りで顔を真っ赤にした夫は「離婚なんかしたって、こいつが生活できるわけないだろう!」と怒鳴ったのですが、「大丈夫。お母さんの面倒は僕たちが見るし。何なら、今のお父さんよりも僕たちの方が年収高いだろうしね。」と長男が言い返しました。
「離婚に関してはきちんと手続きを取るよ。財産分与や慰謝料なんかのこともあるから、お父さんも弁護士立てた方が良いかもね」とニッコリ。
次男は「お母さん、一緒に荷物まとめようか」と冷静に対応してくれました。

「ちょっと待ってくれ!」と言う夫に対して、私は「今までずっとイライラさせて悪かったわね。私みたいな女が一緒にいるより、あなたも一人の方が気楽でしょ」と、ずっと心にあったわだかまりを吐き出すことができたのです。

末路

その後、息子たちの尽力もあって、離婚は無事に成立。
元夫は再就職先も決まらず、生活に困っていると聞きましたが、私はようやく息子たちと心穏やかな生活を送れるようになったばかり。
連絡を取るつもりもありません。

さんざん私たちを侮辱してきたのですから、自業自得。
これからは自分の足で歩いていけるように、息子たちと頑張るつもりです。

【体験者:50代女性・パート、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。


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