金髪で青い目のように、見た目の特徴から外国人に見える相手と話す時は、その人の母国や言語がわからない状態でも「英語を話すべきかな」と緊張してしまう人も多いのではないでしょうか。今回は外国人の夫を持つ筆者の知人Sさんから聞いた、言語をめぐるトラブルのお話です。

頻繁にやってくる親子

それからというもの、Tさん親子は旦那さんのいる土日になると決まって遊びに来るようになりました。
「Tさん、さすがに毎週は困るわ。うちも予定があるし……」
「予定ってなに? パーティーとか海外の人の集まりだったら私も連れて行って! 私英語を勉強したいの、息子にも覚えさせたいし。いいでしょ?」
「英語ねえ」
息子同士は仲良しなので楽しそうでしたが、毎週来られて旦那さんはうんざりした顔。正直言って迷惑でしたが、なかなか直接はTくんのお母さんに伝えられない様子です。

そこでSさんが幼稚園でTくんのお母さんに会った時、代わりに伝えることにしました。
「あのね、Tさん。実はうちの旦那、フランス人だけど生まれも育ちも日本で英語は苦手なのよ。だから英語は日常会話くらいしかできないし、教えてあげられないわ」
それを聞いたTくんのお母さんはみるみるうちに表情を変えてこう言いました。
「なにそれ、外国人のくせに使えないわね!」
憤慨した様子で去って行くTくんのお母さんを見送って、Sさんはそれから距離を置くことを決めたそうです。

勝手に勘違いをして人の家に上がり込んでおいて、使えない、はひどいですよね。英語を勉強したかったという前向きな気持ちは素晴らしいですが、人を見た目で判断してはいけません。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。


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