『人は育てられたようにしか育てることができない』といいますが、反面教師という言葉もある通り、同じ轍を踏まないと決めて頑張っている人もいます。これは筆者の友人・W子の家庭のエピソード。ハラスメント気質の夫を論破した息子・Tの決意とは?

蛙の子は蛙

学校での経緯を夫に伝えると「やっぱり、Tも手が出るんだな。蛙の子は蛙ってやつか?」と薄ら笑い。
今回の出来事を面白がっているような雰囲気でした。
すると、その様子を見ていたTが「俺はお父さんとは違う!」と一言。
これに怒った夫は「子どもの癖に生意気な口を聞くな!」と大声を出したのですが、

「そうやって他人を威圧しなくちゃプライドが保てないんでしょ? 結局は自分に自信がないから大きく見せようとするんでしょ? 俺やお母さんにマウント取って楽しい? 蛙の子は蛙じゃない。俺は絶対にお父さんみたいにはならないよ。」

と言い返したのです。

論破

これには夫も何も言えず、「ガキの癖に!」と捨て台詞を吐いて外に出かけてしまいました。
Tに言われたことは、夫にとってもっとも『認めたくない部分』のこと。
きっとどうして良いのかわからなかったのでしょう。

この日を境に家庭内のパワーバランスは崩れ、夫のハラスメントは鳴りを潜めました。
その後、Tは心理学を専攻する大学へ進学。
今ではTに論理的に攻められてしまうため、夫も大人しくなっています。

夫に悪気はなかったのかもしれませんが、反面教師という言葉通り、Tには夫のような男性にならないように、と願う毎日です。

【体験者:50代女性・会社員、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.