ご近所トラブルで最もよく耳にするのが、生活音などの騒音トラブルではないでしょうか。お互い気持ち良く暮らすためにも、迷惑にならないよう配慮しあいたいものですね。今回はご近所さんの出すあるものの音が原因でトラブルに遭遇した経験のある筆者の知人、Fさんから聞いたお話です。

遠回しに注意すると……

「あらFさん、今から出勤?」
ある朝Fさんが仕事に出かけようとすると、例のご近所さんに遭遇しました。

「はい、今日は朝から」
ご近所さんと話している間も、ピアノは鳴り続けています。Fさんは意を決し、遠回しに注意してみることにしました。
「あの……お嬢さん、朝からピアノ頑張ってるんですね」
ご近所さんはFさんの言葉に何を感じたのか、満面の笑みを浮かべました。
「そうなの、頑張ってるのよ! うちの子ピアノが大好きみたいでね、ピアノの先生にも才能があるって言われてて」

ご近所さんは矢継ぎ早にまくしたて、Fさんはタジタジ。

そして、Fさんに応援されていると思ったのか、次の日からもっと早い時間からピアノの練習をするようになったのです。
「でも正直あんまり上手じゃないんだよな」
上手く弾けるようになるために練習しているので、上手でないのは当たり前ですが、娘さんが弾き間違えて音を外すたび、Fさんはガクッと拍子抜けしてしまいます。

そして夏休みに入ると、ピアノの練習はかなり長時間に及び、時には昼や夕方に練習が再開されることも。

しかしある日突然、早朝のピアノ練習はなくなりました。

Fさんが気になって尋ねたところ、他のご近所さんから苦情の手紙が来たため、朝のピアノ練習はやめることにしたとのことです。

ピアノが好きなのは大変結構なことですが、時間は選んで欲しいですね。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。

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