沢山の人の手が触れるものに触れられない、潔癖症の人ってたまにいますよね。除菌のスプレーやティッシュを使うぐらいならまだ他の人に影響はないものの、行き過ぎると周りの人を困惑させてしまうことも。今回はそんな潔癖症の人に出会った経験のある筆者の知人、Eさんから聞いたお話です。

店長登場

Eさんがどうすべきか迷っていると、突然後ろから声が響きました。
「お客様、セルフレジがありますので、そちらを使っていただけますか」
「て、店長……」
それは偶然レジに溜まったカゴを回収に来た店長でした。
「仕方ないわね!」
お客さんはカゴをひったくるようにしてセルフレジの方に向かいました。

Eさんの働いているお店は年配の方が多く、セルフレジを使いたがる人が少ないため、空いていたのが幸いでした。

その後Eさんは急いでレジの列をさばき、事なきを得たそうです。
「店長、今日はありがとうございました!」
Eさんがお礼を言うと、店長は何事もなかったように笑って答えました。
「これからも来られるかもしれないから、潔癖症の人はセルフレジにご案内するようにみんなに共有しとくよ」
「はい!」

その後例の女性客は何度もスーパーに買い物に来ましたが、有人レジに並ぶ度に「触らないで!」と言うので、その都度スタッフがセルフレジに案内するようになったそうです。セルフレジのタッチパネルが苦手な潔癖症の方もいるのではと思いましたが、どうやらその女性客は「お金を触った店員の手が汚い」と考える人だったようです。

潔癖症の方の気持ちもわかりますが、商品に触らないで会計をするのは非常に困難ですよね。できれば自分からセルフレジに並んで欲しいものです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子


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