介護施設には、さまざまな高齢者の方が入居されています。そして週末やイベント時には、ご家族が面会に来ることも少なくありません。このお話は筆者の友人・S美から聞いたS美が勤務する介護施設でのエピソードです。

トラブル

ある冬のことです。
Tさんの面会に来た息子さんが「こんな掛布団じゃ寒いだろうから、あたたかい羽毛の布団に変えてほしい。」と言い出しました。

施設内は空調が効いているので、寒いということはありません。
そのことを私が説明しても、息子さんは「これじゃ母がかわいそうです!」と大騒ぎ。
終いには施設長が対応するトラブルにまで発展してしまったのです。

その後

その日は施設長や担当のケアマネージャーが対応してくれて、何とかトラブルは解決しました。
私はその後、Tさんの息子さんに入居時に説明したルールを改めてお話し、理解していただけるようにお願いをしました。

特にTさんには異食(食べ物ではないものを食べてしまうこと)の傾向があったため、お部屋にさまざまなものは置けないとお伝えしたのです。

それでも、Tさんの息子さんは食べ物の差し入れを持ってきたり、花や観葉植物などを持ってきたりし続けたため、最後にはトラブル防止の観点から、Tさんへ退去勧告が出される騒ぎになってしまいました。

理解

「退去勧告は困る」となった息子さんは、そこでようやくルールを守ってくれるようになりました。お母さんのためを思って、息子のTさんは色々と要望を出していたのだと思います。しかし、未だに文句を言われることが多いので、私はTさんの面会日には密かにドキドキしています。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K


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