昔からマナーだと思って守っていたことが、実は間違っていたと知って驚いた経験のある人もいるのではないでしょうか。今回は筆者本人が経験した、守っていたマナーが実は危険につながる行為であると知るきっかけになったある出来事のお話です。

正しいエスカレーターの乗り方とは

「あんたがぼーっと右側に立ってるから、急いでる人が通れなかったんだからね!」
エスカレーターを降りてからも中年女性に責められ、若い女性は困り顔でうつむいています。

「お客様、何かありましたか!?」
騒ぎを聞きつけた駅員さんがあわてて駆け寄って来ます。
「この人がエスカレーターの反対側に立って道をふさいでたのよ! そんなことされたら、急いでる人が追い越せないわ! ほんと最近の若い人は、エスカレーターのマナーも知らないんだから」
中年女性が得意げに駅員さんに説明します。すると駅員さんの口から出たのは、思いがけない言葉でした。
「失礼ですがお客様、エスカレーターを歩く行為は転倒などの事故につながるため、鉄道会社としては危険なので推奨していません。お急ぎの際は階段をお使いください」
「ええっ!?」
「このように、注意喚起もしています」
駅員さんは「エスカレーターでは立ち止まろう」と描かれたポスターを指さしました。
「なによ、もっと早く言ってよ!」
中年女性は顔を真っ赤にして、その場を足早に立ち去りました。

エスカレーターで歩く行為が推奨されていないことを知ったのは私も初めてだったので、これからは安全のため、エスカレーターでは立ち止まろうと思った一件でした。

エスカレーターは、身近に利用するものですが、近年痛ましい事故が増加傾向にあります。片側を空けて乗る習慣は、急いでいる人が追い越せるようにという配慮で生まれたそうですが、見直すべきなのかもしれません。片側を空けて乗ることは、厳密にはマナー違反ではありませんが、その横を歩いてしまうのは、現代ではマナー違反と捉えられるかもしれません。急いでいる時はエスカレーターを歩きたくなる気持ちもわかりますが、エスカレーターは、左右どちらかの手すりにつかまり、黄色い線の内側に立って、立ち止まって安全に利用しましょう。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

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