病院にはさまざまな患者さんがいます。残念ながら大きな病院はいつも混んでいて、時間がかかることが多いですが、それでもマナーを守っている人が多いですよね。これは筆者が実際に遭遇したマナーを守れない人にまつわるエピソードです。

少年

男性のクレームは一向に収まる気配がなく「いい加減にしろ! 偉そうにしやがって!」と訳の分からない状態になってきました。
すると、男性の近くにいた車椅子の中学生くらいの男の子が男性に近づいてこう言ったのです。

「ここは病院ですよ。具合の悪い人もいるんですから、大きな声で怒鳴るのはやめてください。」

怒鳴っていた男性は最初「あ?」と男の子を威嚇しましたが、男の子はまったくひるむ様子がなく、

「うるさいって言ってるんです。待たされているのはみんな同じですよ。」

と言い返したのです。

みっともない

男の子の言葉で少し冷静になった男性は、周囲の視線に耐えられなくなり、そそくさとその場を離れていきました。
車椅子の男の子は、何事もなかったように元の場所に戻りましたが、彼の勇気ある行動に感心した人は多かったはずです。

大人の私が何も言えない中、一歩踏み出した彼の姿は、言葉ではなく行動で示す優しさや強さを教えてくれました。

待ち時間が長くイライラしてしまうのはわかりますが、大人が子どもに注意されてしまうなんて、何とも恥ずかしいことだなと思いました。そして、この一件は私にとって、誰かが困っているときに見て見ぬふりをせず、勇気を持って行動することの大切さを教えてくれた、忘れられない出来事となりました。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K

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