食べ物のアレルギーがある場合、うっかり口にして症状が出るのを防ぐため、外食をする際にはアレルギー対応のメニューをお願いする人も多いのではないでしょうか。今回はそんなアレルギー対応メニューをお願いしていたのに、思いがけずヒヤッとすることになってしまった私の知人、Rさんから聞いたお話です。

食事が始まると……

「Rちゃん、こっちだよ!」
親友の結婚式で思いのほか感極まってしまい、Rさんは大号泣。泣きすぎて目を腫らしたRさんを、学生時代のもうひとりの親友であるTさんが披露宴の席まで連れて行ってくれました。
「ごめん、泣きすぎてコンタクト外れちゃってよく見えない」
Rさんはひどい近眼で、普段はコンタクトを装着しています。しかし泣きすぎたために式の途中でコンタクトを落としてしまい、目の前が少しぼやけた状態で席に着きました。

「わあ、おいしそうなお料理! って、よく見えないけど……」
間もなく披露宴が始まり、Rさんの前に料理が並べられます。
「じゃあ、いただきますか!」
最初に運ばれてきたサラダを口にしようとすると、隣りに座っていたTさんがいきなり大声を上げました。
「あ! 食べちゃダメ!!!」
「えっ!?」

親友に止められた理由

突然の大声に、Rさんは驚いてフォークを落としてしまいました。
「やだもう、Tちゃんどうしたの?」
「これ、ナッツが入ってる!」
「え、アレルギー対応でお願いしたのに?」
Rさんが目を近づけてサラダをよく見ると、確かに野菜の上に細かく砕かれたナッツがかかっています。

「お客様、どうされました?」
式場のスタッフに事情を聞かれ、Rさんは自分がナッツアレルギーであることや、事前に新婦がアレルギー対応メニューを頼んでいるはずであることを伝えました。

「大変申し訳ございません!!!」
なんと式場側の手違いで、Rさんの席にアレルギー対応ではないサラダが届いてしまったというのです。
Rさんは親友の結婚式という晴れの日に大騒ぎするのは良くないと思い、次の料理からは気を付けてもらえるように頼んでその場を収めました。

親友が気づいてくれなかったら大変なことになっていましたね。自分のアレルギーを周囲の人にも知ってもらうことが、命を守ることにも繋がります。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

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