洋服を買いに行ったお店で、マネキンが着ている素敵なコーディネートを全身まとめて買ってしまった経験はありますか? 今回は、マネキンのコーディネートを真似したおかげでまさかの悲劇に見舞われた私の知人Tさんに聞いたお話です。

新しい服で出社すると

Tさんは翌日、新しい服を着てウキウキで出社しました。
「あ、Tちゃんそれ新しい服? かわいいー!」
オシャレな同僚は顔を合わせるなり、Tさんの新しい服に気付いて褒めてくれました。

「えへへ、近くに新しくできた服屋さんのだよー」
「いいね、私も帰りに寄ろうかな!」
そんな話で盛り上がっていると、ドアが開いて、別の同僚が入ってきました。

「おはよー……って、ヤバ!」
入ってきた瞬間、声を上げたのはYさん。なんとYさんが着ているのは、昨日Tさんが買ったカットソーとパンツと全く同じものだったのです。
「げっ! よりによってYちゃんと!?」
Yさんは小柄なTさんより15センチは背が高く、モデル並みのスタイルを誇る社内で一番の美女。
「Tちゃんもあの店行ったの? あの服屋さんかわいいよね」
「うん、かわいいけど……ちょっと、横に並ばないで……」

小柄な人でも着こなせると店員さんには言われたものの、やはりスタイルの良い人が着ているのとでは全くシルエットが違います。

「なんか、大人と子どもみたい……」
同じ服を着ているせいで、誰が見てもスタイルの差は歴然。Tさんはガックリと肩を落としました。

しかもその日はずっと「あれ、お揃い?」と社内の人たちに言われ続けることになり、お気に入りだった新しい服はタンスの奥にしまい込まれる羽目になったそうです。

せっかくのお気に入りの服だったのに、とんだ災難でしたね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子


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