旅に出るとなれば、まず目的地の宿泊施設を予約することが大切ですよね。いざ行ってみて泊まるところがなかったら大変です。今回はそんな宿泊予約にまつわるとんでもないトラブルに巻き込まれてしまった私の知人Eさんから聞いたお話です。

とんでもない行動に

「Eさん、大丈夫だった?」
フロントの責任者がEさんに声をかけます。
「ええ、大丈夫でした……って、あれ!?」
Eさんはまだソファに座っている女性客を見て、思わず声を上げました。
「あのお客様、メイク落としてませんか?」
Eさんの声に、責任者も女性客に目をやりました。
「え、まさかそんな」
なんと先ほどの女性客はロビーのソファの上に足を投げ出し、手鏡を見ながらメイクを拭きとっていたのです。

「お客様、こちらでそのようなことをされては困ります」
「えー、泊まるとこないんだからしょうがないじゃない。朝には出るから、一晩くらいいさせてよ。あ、毛布くらい貸してくれるわよね?」
女性客はロビーのソファで一晩を明かすつもりらしく、すっかりくつろいだ様子で言いました。
「仕方ないですね」
責任者はフロントに戻り、ホテルの支配人に内線電話をかけました。

「ちょ、ちょっと! 何すんのよ!」
ロビーに女性の大声が響き渡りました。支配人の判断で、女性客は警備員の手によってホテルのロビーから連れ出されてしまったのでした。

ホテルのロビーで夜を明かそうとするなんて、常識では考えられない行動ですよね。泊まるところがないのはかわいそうではありますが、もともとは自分の予約ミスが原因です。追い出されたのは自業自得といったところでしょうか。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

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