急いで移動したい時や終電を逃した時などに非常に頼りになるのがタクシーです。ただ、運転手さんとのコミュニケーションの取り方次第ではトラブルが起きやすいのも事実です。今回は私が経験したタクシーにまつわるトラブルについてのお話です。

最悪な運転手

しばらく走ってから、運転手の男性は急に独り言のようにこうつぶやきました。
「若い女の子がこんな時間まで遊んでいい気なもんだ、こっちは必死で働いてんのに」
「……はあ?」
聞こえるように言ったくせに、私が聞き返すと運転手の男性はだんまりを決め込みます。

「こっちだって必死で働いてこの時間なんですけど」
私は疲れた体を起こし、腕を伸ばして運転手の名前とタクシー会社が記載されたカードを携帯電話のカメラで撮影しました。
「停めてください、もう結構です。あと、この件はきちんと会社に報告しますから」
「え、そんなお客さん」
私が強い口調で言うと、運転手の男性は急にうろたえはじめます。
「 一応言っときますけど、お酒なんか一滴も飲んでませんからね。酔っぱらいの戯言ではありません」
「それは、申し訳ございませんでした」
運転手の男性はしぶしぶ謝ったものの、私の気持ちが収まらなかったため、もう一度タクシーを停めるように伝え、車を降りました。

幸い降りてすぐに違うタクシーをつかまえることができたため、その日はなんとか帰宅しました。そして翌日になってから昨日乗ったタクシーの会社に電話をし、舌打ちされたことや、嫌味を言われた旨を伝えたのでした。

タクシー運転手も人間ですから、時には腹立たしい乗客がいることもあるでしょう。しかしそれをそのまま相手に伝えてしまうと、大きなトラブルに発展しかねません。

何か理由があったのかもしれませんが、お互いが気持ち良く過ごせるようにするためにも、思いやりの気持ちは忘れないようにしたいものです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子


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